2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第1927話

あらゆる生きものに対して暴力を加えることなく、あらゆる生きもののいずれをも悩ますことなく、また子を欲するなかれ。いわんや朋友(ほうゆう)をや。犀の角のようにただ独り歩め。(スッタニパータ) 犀(さい)の角(つの)とは、すなわち「独り歩む修行…

木魚歳時記 第1926話

師は答えた。「子のある者は子について憂(うれ)い、また牛のある者は牛について憂(うる)う。実に人間の憂(うれ)いは執著(しゅうじゃく)するもとのものである。執著するもとのもののない人は、憂(うる)うことがない。」(スッタニパータ) 修行者と…

木魚歳時記 第1925話

悪魔パーピマンがいった「子のある者は子について喜び、また牛のある者は牛について喜ぶ。人間の執著(しゅうじゃく)するもとのものは喜びである。執著するもとのもののない人は、実に喜ぶことがない。」(スッタニパータ) 「執著するもとのもの」の解釈に…

木魚歳時記 第1924話

ダニアはいいました「妻もわたしもともに従順であります。幸せな人(ブッダ)のもとで清らかな修行を行いましょう。生死の彼岸(ひがん)に達して、苦しみを滅(ほろ)ぼしましょう。」(スッタニパータ) さきに、ダニアは「わが牧婦(妻)は従順であり、貪…

木魚歳時記 第1923話

忽(たちまち)に大雲が現れて、雨を降らし、低地と丘をみたした。神が雨を降らすのを聞いて、ダニアは次のことを語った。「われらは尊き師にお目にかかりました。われわれの得たところは実に大きいのです。眼ある方よ、われわれはあなたに帰依(きえ)いた…

木魚歳時記 第1922話

師は答えた「牡(お)牛のように結縛(けつばく)すなわち<むすびいましめ>を断ち、くさい臭いのする蔓草(つるくさ)を象のように踏みにじり、わたしはもはや母体(ぼたい)に入ることはないであろう。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ…

木魚歳時記 第1921話

牛飼いダニアはいった「牛を繋(つな)ぐ杭(くい)は、しっかり打ちこまれていて揺(ゆる)ぐことがない。ムンジャ草でつくった新しい縄(なわ)はよく綯(な)われている。子牛もこれを断(た)つことができないであろう。神よ、もしも雨を降らそうと望む…

木魚歳時記 第1920話

師は答えた「未(いま)だ馴らされていない牛もいないし、乳を飲む子牛もいない。孕(はら)んだ牝牛もいないし、交尾を欲する牡牛もいない。牝牛どもの主である牡牛もここにはいない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパー…

木魚歳時記 第1919話

牛飼いダニアがいった「いまだ馴(な)らされていない牛もいるし、乳を飲む子牛もいる。孕(はら)んだ牝牛もいるし、交尾を欲する牡牛もいる。牝牛どもの主である牡牛もいる。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパータ) 「未…

木魚歳時記 第1918話

師は答えた。「わたくしは何びとの傭(やと)い人でもない。みずから得たものによって全世界を歩む。他人に傭(やと)われる必要はない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパータ) 「他人に傭(やと)われる必要はない」。「…

木魚歳時記 第1917話

牛飼いダニアはいった「わたしは自活しみずかを養うものである。わが子らはみなともに住んで健(すこ)やかである。かれら(わが子ら)にいかなる悪のあるのをも聞いたことがない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパータ) …

木魚歳時記 第1916話

師は答えた「わが心は従順であり、解脱(げだつ)している。永いあいだ修行したのでよくととのえられている。わたくしにはいかなる悪も存在しない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパータ) 師(釈尊)は、従順なダニアの妻…

木魚歳時記 第1915話

牛飼いダニアがいった「わが牧婦(妻)は従順であり、貪(むさぼ)ることがない。久しく共に住んできたが、わが意(こころ)に適っている。彼女にいかなる悪のあるのを聞いたことがない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパ…

木魚歳時記 第1914話

師は答えた。「わが筏(いかだ)は、すでに堅固(けんこ)に組まれ、よくつくられていたが、激流を克服してすでに渡りおわり彼岸(ひがん)に到着している。もはや筏の必要はない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパータ) …

木魚歳時記 第1913話

牛飼いダニアはいった「蚊(か)も虻(あぶ)もいないし、牛どもは沼地に茂った草を食(は)み、歩む。雨が降ってもかれら(牛たち)は耐え忍ぶであろう。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら雨を降らせよ。」(スッタニパータ) 牧草地を遊牧して歩く遊牧民…

木魚歳時記 第1912話

(ダニアに対して)師は答えた。「わたくしは怒(いか)ることなく、心の頑迷(がんめい)さを離れている。マヒー河の岸のほとりに一夜の宿(やど)りをなす。わが小舎(自身)は発(あば)かれ欲情の火は消えた。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降…

木魚歳時記 第1911話

牛飼いダニアがいった「わたしはもう飯を炊き、乳を搾(しぼ)ってしまった。マヒー河のほとりに、わたしは(妻子と)ともに住んでいます。わが小舎(こや)の屋根は葺(ふ)かれ、火は点(と)もされています。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降…

木魚歳時記 第1910話

「走っても疾(はや)すぎることなく、また遅れることもなく<世間における一切のものは虚妄(きょもう)である>と知って迷妄(めいもう)を離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタ…

木魚歳時記 第1909話

「走っても疾(はや)すぎることなく、また遅れることもなく世間における一切のものは虚妄(きょもう)であると知って憎悪(ぞうお)を離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパー…

木魚歳時記 第1908話

「走っても疾(はや)すぎることなく、また遅れることもなく世間における一切のものは虚妄(きょもう)であると知って愛欲を離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 「愛…

木魚歳時記 第1907話

「走っても疾(はや)すぎることなく、また遅れることもなく<世間における一切のものは虚妄(きょもう)である>と知って、貪(むさぼ)りを離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタ…

木魚歳時記 第1906話

「走っても疾(はや)すぎることなく、また遅れることもなく<世間における一切のものは虚妄(きょもう)である>と知っている修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 「虚妄」…

木魚歳時記 第1905話

「走っても疾(はや)すぎることなく、また遅れることもなく、すべてこの妄想(もうそう)を乗り越えられた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 「妄想」とは、迷いの心(煩…

木魚歳時記 第1904話

「想念」(そうねん)を焼き尽くして余すことなく、心の内がよく整えられた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 「想念」(そうねん)とは、頭の中でいろいろと思いめぐらせ…

木魚歳時記 第1903話

「内に怒ることなく、世の栄枯盛衰(えいこせいすい)を超越(ちょうえつ)した修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 欲望一つである「栄枯盛衰」を捨て去った修行者は、もは…

木魚歳時記 第1902話

「無花果(いちじく)の樹林の中において、花(蓮華の)を探し求めても得られないように、諸々の生存状態のうちに堅固(けんこ)なものを見出そうとしない修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(…

木魚歳時記 第1901話

「激流が弱々しい葦(あし)の橋を壊(こわ)すように、すっかり驕慢(きょうまん)を滅し尽くした修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 「驕慢」とは、驕(おご)り高ぶるこ…

木魚歳時記 第1900話

「奔(はし)り流れる妄執(もうしゅう)の水流を涸(か)らし尽くして余すことのない修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 「妄執」(もうしゅう)とは、欲望が満たされない…

木魚歳時記 第1899話

「池に生える蓮華(れんげ)を、水にもぐって折り取るように、すっかり愛欲を断ってしまった修行者(比丘)は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである.。」(スッタニパータ) 蛇が南アジアではおなじみの生きも…

木魚歳時記 第1898話

「蛇の毒が(身体のすみずみに)ひろがるのを薬で制するように、怒りが起ったのを制する修行者(比丘)は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ) 「怒り」について考えてみたいと思いま…