木魚歳時記 第1917話

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 牛飼いダニアはいった「わたしは自活しみずかを養うものである。わが子らはみなともに住んで健(すこ)やかである。かれら(わが子ら)にいかなる悪のあるのをも聞いたことがない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパータ)

 当時の古代インド社会においては、一族の者たちがともに暮らせることは理想の形あったことでしょう。ましてや遊牧の民である彼らが、放牧の牛を追って生計を立てるには一族の者たちが分担して、それぞれの作業を担(になう)うことは、自然の行為であり、また、実利に適ったことであったことでしょう。

       ヒヤシンス鳥の形に変はるまで