木魚歳時記 第1907話

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 「走っても疾(はや)すぎることなく、また遅れることもなく<世間における一切のものは虚妄(きょもう)である>と知って、貪(むさぼ)りを離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ)

 「貪り」(むさぼり)とは、後世、仏教の用語で「貪欲」(とんよく)、すなわち、<欲望をむさぼる>の意味で示されます。好ましいものに対する強い執着心(しゅうちゃくしん)のことです。わたしたちの煩悩(ぼんのう)の中で、「怒り」「無知」(仏教の教えを知らない)と合わせて「貪り」(むさぼり)は、三大煩悩(三毒)の一つに数えられます。

       歩いても歩いてもなほ黄水仙