2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第2139話

(理法にかなった行い)「みずからは清き者となり、互いに思いやりをもって、清らかな人々と共に住むようにせよ。そこで、聡明な者どもが、ともに仲よくして、苦悩を終滅せしめるであろう。」(スッタニパータ) 倉時代の仏教宗派(5) 日蓮宗。祖師といえ…

木魚歳時記 第2138話

(理法にかなった行い)「次いで、実は(道の人)ではないのに(道の人)であると思いをなしている籾殻(もみがら)どもを除き去れ。悪を欲し、悪い行いをなし、悪いところにいるかれらを吹き払え。」(スッタニパータ) 鎌倉時代の仏教宗派(5) 曹洞宗。…

木魚歳時記 第2137話

(理法にかなった行い)「修行僧らよ。このような修行僧を、実は、家にたよっている人、邪(よこしま)な欲望があり、邪な思いがあり、邪な行いをなし、悪いところにいる人であることを知れ。」(スッタニパータ) 鎌倉時代の仏教宗派(4) 臨済宗。臨済宗…

木魚歳時記 第2136話

(理法にかなった行い)「あたかも糞坑(ふんこう)が年を経ると糞で充満するようなものであろう。糞(ふん)つまりの不潔な人は、実に清めるのがむずかしい。」(スッタニパータ) 鎌倉時代の仏教宗派(3) 浄土真宗。浄土真宗は親鸞(しんらん)上人によ…

木魚歳時記 第2135話

(理法にかなった行い)「実にこのような修行僧は、苦難の場所に陥(おちい)り、母胎から他の母胎へと生まれかわり、暗黒から暗黒へと赴(おもむ)く。死後には苦しめる。」(スッタニパータ) 鎌倉時代の仏教宗派(2) 浄土宗(その2)。浄土宗は法然上…

木魚歳時記 第2134話

(理法にかなった行い)「かれ(迷妄の修行僧)は無明に誘(いざなわ)れて、修行をつんだ他の人を苦しめ悩まし、煩悩(ぼんのう)が地獄に赴(おもむ)く道であることを知らない。」(スッタニパータ) 鎌倉時代の仏教宗派(1) 浄土宗(その1)。浄土宗…

木魚歳時記 第2133話

(理法にかなった行い)「争論を楽しみ、迷妄の性質に覆われている修行僧は、目覚めた人(ブッダ)の説きたもう理法を説明されても理解しない。」(スッタニパータ) 平安時代の仏教宗派(5) 真言宗(その2)。 真言密教では、身語意(体と言葉と心)の調…

木魚歳時記 第2132話

(理法にかなった行い)「もしもかれが荒々しことばを語り、他人を苦しめ悩ますことを好み、獣(けもの)の如くであるならば、その人の生活はさらに悪いものとなり、自分の塵汚(ちりよごれ)を増す。」(スッタニパータ) 平安時代の仏教宗派(4) 真言宗…

木魚歳時記 第2131話

(理法にかなった行い)「理法にかなった行い、清らかな行い、これが最上の宝であると言う。たとい在家(ざいけ)から出て家なきに入り、出家(しゅっけ)の身となったとしても。」(スッタニパータ) 「家なきに入る」とは、家業を捨て托鉢と伝道の生活に入…

木魚歳時記 第2130話

(ブログ筆者より) 以上、スーチローマと釈尊との問答は終わります。次に『スッタニパータ』は(理法にかなった行い)の項に入ります。釈尊の弟子(カピラ)が傲慢のため金色の魚となり地獄に落ちた。この物語に因んで釈尊は(理法にかなった行い)を説かれ…

木魚歳時記 第2129話

(釈尊は答う)「神霊よ、聞け、それらの煩悩(ぼんのう)がいかなる原因にもとづいて起こるかを知る人々は煩悩を除き去る。かれらは、渡りがたく、未(いま)だかって渡った人のいないこの激流を渡り、もはや再び生存(輪廻)を受けることがない。」(スッ…

木魚歳時記 第2128話

(釈尊は答う)「それらは愛執から起こり、自身から現れる。あたかも榕樹(パニヤシ)の新しい若木が枝から生ずるようなものである。それらが、ひろく諸々の欲望に執着していることは、譬(たとえ)ば、蔓草(つるくさ)が林の中にはびこっているようなもの…

木魚歳時記 第2127話

(釈尊は答う)「貪欲(とんよく)と嫌悪(けんお)は自身から生ずる。好きと嫌いと身の毛のよだつこととは自身から生ずる。諸々の妄想は、自身から生じて心を投げ打つ。あたかもこどもらが鳥を投げ捨てるように。」(スッタニパータ) 飛鳥・奈良時代の仏教…

木魚歳時記 第2126話

(スーチローマは問う)「貪欲(とんよく)と嫌悪(けんお)とはいかなる原因から生ずるのであるか。好きと嫌いと身の毛のよだつこと(戦慄・せんりつ))はどこから生ずるのであるか。諸々の妄想はどこから起こって、心を投げ打つのであるか? あたかも子ど…

木魚歳時記 第2125話

(ブログ筆者より)以上で「大いなる幸せを説いた経」(こよなき幸せ)の項を終わります。次に『スッタニパータ』は、神霊スーチローマと釈尊との問答(四編)となります。あわせて、奈良・平安・鎌倉の各時代において我が国に伝わり現存する、お馴染みの仏…

木魚歳時記 第2124話

(こよなき幸せ)「これらのこと(前項)を行うならば、いかなることに関しても敗(やぶ)れることがない。あらゆることについて幸福に達する。これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) さて、手品の続きです。私たちは森羅万象(しんらばんしょう)…

木魚歳時記 第2123話

(こよなき幸せ)「世俗のことがらに触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚(けがれ)を離れ、安穏(あんのん)であること、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) さて、手品を披露いたしましょう。一枚のカンカチがあります。このハンカ…

木魚歳時記 第2122話

(こよなき幸せ)「修養と、清らかな行いと、聖なる真理を見ること、安らぎ(ニルヴァーナ)を体得すること、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) さて、「縁起」(えんぎ)について概略してきました。ところで、縁起は、原因と結果、つまり「因…

木魚歳時記 第2121話

(こよなき幸せ)「耐え忍ぶこと、ことばのやさしいこと、諸々の道の人(修行者)に会うこと、適当な時に理法についての教えを聞くこと、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) 縁起について(4) 原始仏教経典(釈尊滅後~BC2世紀頃まで)に現…

木魚歳時記 第2120話

(こよなき幸せ)「尊敬と謙虚と満足と感謝と(適当な時に)教えを聞くこと。これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) 縁起について(3) 「在る(もの)が、いま、ここに存在していても、つねに新しい因や縁が加わることで、それに応じて別の形に…

木魚歳時記 第2119話

(こよなき幸せ)「悪をやめ、悪を離れ、飲酒をつつしみ、徳行をゆるがせにしないこと、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) さて、縁起について(2) 原始経典の中に「これがあるときかれがあり、これが生起することによりかれが生起する。こ…

木魚歳時記 第2118話

(こよなき幸せ)「施与と、理法にかなった行いと、親族を愛し護ることと、非難を受けない行為、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) さて、「縁起」(えんぎ)について(1) 「縁(よ)りて起こる」。文字どおりこれが「縁起」(えんぎ)の端…

木魚歳時記 第2117話

(こよなき幸せ)「父母につかえること、妻子を愛して護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) 以上記した「四諦」の教えと、その実践法である「八正道」を、繰り返し繰り返し、真実のことばで示したのが、最…

木魚歳時記 第2116話

(こよなき幸せ)「深い学識あり、技術を身につけ、身をつつしむことを学び、ことばがみごとであること、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) さて、前項で触れました「八正道」について。「八正道」とは、正見(道理に基づく正しい見解)、正思…

木魚歳時記 第2115話

(こよなき幸せ)「適当な場所に住み、あらかじめ功徳を積んでいて、みずからは正しい誓願を起こしていること、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) 当時、比丘(修行僧)は托鉢で暮らしを立てていました。ですから「適当な場所」とは、町から遠…

木魚歳時記 第2114話

(こよなき幸せ)「(釈尊は答う)諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること、これがこよなき幸せである。」(スッタニパータ) 賢者とは<理>を体得している人。知識、理財に乏しくとも、心の安住している人を指すので…

木魚歳時記 第2113話

(こよなき幸せ)「(神が問う)多くの神々と人間とは、幸福を望み、幸せを思っています。最上の幸福につい説いてください。」(スッタニパータ) さて、仏教とは? 大きく分けると、仏(ほとけ)の説かれた教え。仏(ほとけ)についての教え。仏(ほとけ)…

木魚歳時記 第2112話

(ブログ筆者より)『スタニパータ』(恥・苦行者に説く)を終わります。次に、ゴータマ・ブッダ(釈尊)がジュータ林(孤独な人々に食を給する長者の園)におられるとき、容色麗しい一人の神が近づき、釈尊に一礼して語りかけます。以下、釈尊と容色麗しい…

木魚歳時記 第2111話

(苦行者に説く)「遠ざかり離れる味と平安となる味とを味わって、法の喜びの味わっている人は、苦悩を離れ、悪を離れている。」(スッタニパータ) 「遠ざかり離れる味と・・」とは、「遠ざかり離れる味の液と、法の喜びを味わう液と、」と直訳できるようで…

木魚歳時記 第2110話

(苦行者に説く)「成果を望む人は、人間に相応した重荷を背負い、喜びを生ずる境地と称賛を博する楽しみを修める。」(スッタニパータ) さて、現在、インドの宗教は、その大部分をヒンドウー教が占めるといわれています(仏教徒はおおよそ0.3パーセントく…