2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第2655話

(悪意についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「邪悪(じゃあく)を払い除いた人は、世の中のどこに行っても、さまざまな生存に対してあらかじめ抱いた偏見が生存しない。邪悪を払い除いた人は、いつわりと驕慢(きょうまん)とを捨て去って…

木魚歳時記 第2654話

(悪意についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「諸々の悪事に関する固執(これこれのものであると)を確かに知って、自己の見解に対する執著(しゅうじゃく)を超越することは容易ではない。故に人はそれらの(偏執の)住居(すまい)のうち…

木魚歳時記 第2653話

(悪意についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「汚れた見解をあらかじめ設け、つくりなし、偏重(へんちょう)して、自分のうちにのみ勝れた実りがあるとみる人は、ゆらぐものにたよる平安に執著(しゅうじゃく)しているのである。(スッタ…

木魚歳時記 第2652話

(悪意についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「修行僧が平安となり、心が安静に帰して、戒律に関して『わたくしはこのようにしている』といって誇(ほこ)ることがないならば、世の中のどこにいても煩悩(ぼんのう)のめ盛ることがないので…

木魚歳時記 第2651話

(悪意についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「ひとから尋ねられたのではないのに、他人に向かって、自分が戒律(かいりつ)や道徳を守っているといいふらす人は、自分で自分のことをいいふらすのであるから、かれは<下劣な人>である、と…

木魚歳時記 第2650話

(悪意についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「欲にひかれ、好みにとらわれている人が、どうして自分の偏見(へんけん)を超えることができるのだろうか。かれは、みずから完全であると思いなしている。かれは知るにまかせて語るのであろう…

木魚歳時記 第2649話

(悪意についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「実に悪意をもって(他人を)謗(そし)る人々もある。また他人から聞いたことを真実だと思って(他人を)謗(そし)る人々もいる。謗ることばが起こっても、聖者はそれに近づかない。だから聖…

木魚歳時記 第2648話

(ブログ筆者より) 以上で、(洞窟についての八つ詩句)を終わります。さて、『スッタニパータ』の内容が「わからない」「いつもおなじよう」。そんな感想をお持ちかも知れません。しかし、2500の昔、遠いインドにおいて、釈迦(しゃか)が説かれた教え(原…

木魚歳時記 第2647話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「思いを知りつくして、激流を渡れ。聖者は、所有したいという執著(しゅうじゃく)に汚されることなく、(煩悩)の矢を抜き去って、つとめ励んで行い、この世をもかの世をも望まない。」(スッタ…

木魚歳時記 第2646話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「賢者は、両極端に対する欲望を制し、(感官と対象との)接触を知りつくして、貪(むさぼ)ることなく、自責の念いかられるような悪い行いをしないで、見分することがらに汚されない。」(スッタ…

木魚歳時記 第2645話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「(何ものかを)わがものであると執著(しゅうじゃく)して動揺している人々を見よ。(かれらのありさまは)ひからびた流れの水の少ないところにいる魚のようなものである。これを見て、『わがも…

木魚歳時記 第2644話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「この世の人々が、諸々の生存に対する妄執(もうしゅう)を離れないで、死に直面して泣く。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(408) 小林一茶さん。「白魚のどつと生るるおぼろかな…

木魚歳時記 第2643話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「だからひとはここにおいて学ぶべきである。世間で<不正>であると知られているどんなことであろうとも、それのために不正を行ってはならない。『ひとの命は短いものだ』と賢者たちは説いている…

木魚歳時記 第2642話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「かれらは欲望を貪(むさぼ)り、熱中し、溺(おぼ)れて、吝嗇(りんしょく)で、不正になずんでいるが、(死んだのだろうか』と。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(406) 富田…

木魚歳時記 第2641話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「欲求にもとずいて生存の快楽にとらわれている人々は、解脱(げだつ)しがたい。他人が解脱させてくれるのではないからである。かれらは未来をも過去をも考慮しながら、これらの(目の前の)欲望…

木魚歳時記 第2640話

(洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「(身体の)窟(いわや)のうちにとどまり、執著(しゅうじゃく)し、多くの煩悩(ぼんのう)に覆われ、迷妄(めいもう)のうちに沈没している人、このような人は、実に(遠ざかり離れること)(…

木魚歳時記 第2639話

(ブログ筆者より)以上で(欲望)の項を終わります。次に『スッタニパータ』は、「八つの詩句の章」の二番目の(洞窟についての八つ詩句)の項に移ります。 「ボクの細道]好きな俳句(403) 飯田龍太さん。「春の夜の藁屋ふたつが国境ひ」(龍太) 龍太さ…

木魚歳時記 第2638話

(欲望) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「それ故に、人は常によく気をつけていて、諸々の欲望を回避せよ。船のたまり水を汲み出すように、それらの欲望を捨て去って、激しい流れを渡り、彼岸に到達せよ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(4…

木魚歳時記 第2637話

(欲望) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「無力のように見えるもの(諸々の煩悩)がかれにうち勝ち、危ない災難がかれをふみにじる。それ故に苦しみがかれにつき従う。あたかも壊れた舟に水が浸入するように。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳…

木魚歳時記 第2636話

(欲望) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「ひとが、田畑、宅地、黄金、牛馬、奴婢(ぬひ)、婦女、親族、その他いろいろの欲望を貪(むさぼ)り求めると、」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(400) 藤田湘子さん。「夕ぐれのづかづかと来し春…

木魚歳時記 第2635話

(欲望) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「足で蛇の頭を踏まないようにするのと同様に、よく気をつけて諸々の欲望を回避する人は、この世で、この執著(しゅうじゃく)をのり超える。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(399) 藤崎 実さん。「…

木魚歳時記 第2634話

(欲望) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「欲望をかなえたいと望み貪欲(とんよく)の生じた人が、もしも欲望をはたすことができなくなるならば、かれは、矢に射られたように、悩み苦しむ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(398) 茂 恵一郎…

木魚歳時記 第2633話

(欲望) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「欲望をかなえたいと望んでいる人が、もしうまくゆくならば、かれは実に人間の欲するものを得て、心に喜ぶ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(397) 高浜虚子さん。「鎌倉を驚かしたる余寒あり」(…

木魚歳時記 第2632話

(ブログ筆者より) 以上で、(二種の観察)の項を終わります。これまで『スッタニパータ』で、「蛇の章」「小なる章」「大いなる章」と読んで来ました。次に『スッタニパータ』は、「八つの詩句の章」(欲望)の項に移ります。 「ボクの細道]好きな俳句(3…

木魚歳時記 第2631話

(二種の観察) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「諸々の聖者以外には、そもそも誰がこの境地(正しく知る)を覚り得るのであろうか。この境地を正しく知ったならば、煩悩(ぼんのう)汚(けがれ)のない者となって、まどかな平安に入るであろう。」(スッタ…

木魚歳時記 第2630話

(二種の観察) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「生存の貪欲(とんよく)にとらわれ、生存の流れにおし流され、悪魔の領域に入っている人々には、この心理(正しく見る)は実に覚りがたい。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(394) 鈴木太郎…

木魚歳時記 第2629話

(二種の観察) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「覆(おお)われた人々には闇がある。(正しく)見ない人々には暗黒がある。理法が何であるかを知らない獣のような愚人は、(安らぎ)の近くにあっても、それを知らない。」(スッタニパータ) 「ボクの細道…

木魚歳時記 第2628話

(二種の観察) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「他の人々が<安楽>であると称するものを、諸々の聖者は<苦しみ>であると言う。他の人々が<苦しみ>であると称するものを、諸々の聖者は<安楽>であると知る。解(げ)し難(がた)き真理を見よ。無知な…

木魚歳時記 第2627話

(二種の観察) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「自己の身体(個体)を断滅することが<安楽>である、と諸々の聖者は見る。(正しく)見る人々のこの(考え)は、一切の世間の人々と正反対である。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(391) …

木魚歳時記 第2626話

(二種の観察) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「それら(虚妄)は実に、神々並びに世人には安楽であると一般に認められている。またそれらが滅びる場合には、かれらはそれを<苦しみ>であると等しく認めている。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好き…