木魚歳時記 第1900話

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  「奔(はし)り流れる妄執(もうしゅう)の水流を涸(か)らし尽くして余すことのない修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ)

 「妄執」(もうしゅう)とは、欲望が満たされない状態より生じる、苦しみ、悩み、すなわち、煩悩(ぼんのう)に迷う心の状態を指します。さて、繰り返して登場する<この世かの世>の解釈について。私(ブログ筆者)は<この世>とは、此岸(しがん)・現世・人間(ひと)を指すと考えます。<かの世>とは、彼岸(ひがん)・極楽浄土・天神(てんじん)を指すと考えます。そして、その根底には<この世からかの世に生まれ変わりたい>という「輪廻転生」(りんねてんしょう)の願望が介在(かいざい)すると考えています。

       恋猫が路地をぶらぶら歩いてる