2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第2716話

(マーガンディア) マーガンディアはいった。「もしも、『教義によって、学問によって、知識によって、戒律や道徳によって清らかになることができない』と説き、また『教義がなくとも、学問がなくとも、戒律や道徳を守らなくとも、清らかにできない』と説く…

木魚歳時記 第2715話

(マーガンディア) 師(ブッダ)は答えた。「マーガンディアよ。『教義によって、学問によって、知識によって、戒律や道徳によって清らかになることができる』とは、わたくしは説かない。『教義がなくとも、学問がなくとも、戒律や道徳を守らなくとも、清ら…

木魚歳時記 第2714話

(マーガンディア) マーガンディアはいった。「聖者さま。あなたは考えて構成された偏見の定説を固執することなしに、(内心の安らぎ)ということをお説きになりますが、そのことわりを諸々の賢人はどのように説いておられるのでしょうか?」(スッタニパー…

木魚歳時記 第2713話

(マーガンディア) 師(ブッダ)は答えた。「マーガンディアよ。『わたくしはこのことを説く』、ということがわたくしにはない。諸々の事物に対する執著(しゅうじゃく)を執著であると確かに知って、諸々の偏見における(過誤を)見て、固執することなく、…

木魚歳時記 第2712話

(マーガンディア) マーガンディアがいった。「もしもあなたが、多くの王者が求めた女、このような宝、が欲しくないならば、あなたはどのような見解を、どのような戒律・道徳・生活法を、またどのような生存状態に生まれ変わることを説くのですか?」(スッ…

木魚歳時記 第2711話

(マーガンディア) 師(ブッダ)は語った。「われは(昔さとりを聞こうとしたときに)、愛欲と嫌悪(けんお)と貪欲(とんよく)という三人の魔女を見てみも、彼女らと淫欲の交わりをしたいという欲望さえ起こらなかった。糞尿に満ちたこれらはそもそも何も…

木魚歳時記 第2710話

(ブログ筆者より) バスラーの誰に対する言葉なのか? そのことを不問としたまま(パスーラ)の項を終わります。次に『スッタニパータ』は、師(ブッダ)とマーガンディアとの対話である(マーガンディア)の項に移ります。 「ボクの細道]好きな俳句(474…

木魚歳時記 第2709話

(パスーラ)さてあなたは(「自分こそ勝利を得るであろう」と)思いをめぐらし、心中にもろもろの偏見を考えて、邪悪を払い除いた人(ブッダ)と論争しようと、やってこられたが、あなたも実にそれだけならば、それを実現することは、とてもできない。(ス…

木魚歳時記 第2708話

(パスーラ)またかれらは対立を離脱して行い、一つの見解を(他の)諸々の偏見と抗争させない人々なのであるが、かれらに対して、あなたは何を得ようとするのか? パスーラよ。かれらの間で「最上のもの」として固執されたものは、ここに存在しないのである…

木魚歳時記 第2707話

(パスーラ)(特殊な)偏見を固執して論争し、「これのみが真理である」という人々がいるならば、汝はかれらに言え「論争が起こっても、汝と対論する者はここにいない」と。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(471) 鈴木六林男さん。「深山に蕨…

木魚歳時記 第2706話

(パスーラ)たとえば王に養われてきた兵士が、相手の勇士を求めて、歓声を挙げて進んでゆくようなものである。勇士よ。かの(汝にふさわしい、真理に達した人の)いるところに至れ。相手として戦うべきものは、あらかじめ存在しないのである。(スッタニパ…

木魚歳時記 第2705話

(パスーラ)心の高ぶりというものは、かれの害(そこな)われる場所である。しかるにかれは慢心(まんしん)・増上慢心の言をなす。このことわりを見て、論争してはならない。諸々の熟達せる人々は、「それによって清浄が達成される」とは説かないからであ…

木魚歳時記 第2704話

(パスーラ)あるいはまた集会の中で論議を述べて、それについて称賛されると、心の中に期待したような利益を得て、かれはそのために喜んで、心が高ぶる。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(468) 小川双々子さん。「牡丹を見つ立つてをり全き人…

木魚歳時記 第2703話

(パスーラ)これらの論争が諸々の修行者の間に起こると、これらの人々には得意と失意とがある。ひとはこれを見て論争を止めるべきである。称賛を得ること以外には他に、なんの役にも立たないからである。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(467…

木魚歳時記 第2702話

(パスーラ)諸々の審判者がかれの所論に対し「汝の論議は敗北した、論破された」というと、論争に敗北した者は嘆き悲しみ、「かれはわたしを打ち負かした」といって悲泣する。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(466) 神野紗希さん。「石棺に窓…

木魚歳時記 第2701話

(パスーラ)集会の中で論争に参加した者は、称賛されようと欲し、おずおずとしている。そうして敗北してうちしおれ、(論敵の)あらさがしをしているのに、(他人から)論難されると怒る。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(465) 角川源義さん…

木魚歳時記 第2700話

(パスーラ) かれらは論議を欲し、集会に突入し、相互に他人を(愚者であると)と烙印(らくいん)し、他人(師など)を傘に着て、論争を交わす。みずから真理に達した者であると称しながら、自分が称賛されるようにと望む。(スッタニパータ) 「ボクの細…

木魚歳時記 第2699話

(パスーラ)かれらは「ここのみ清らかさががある」と言い張って、他の諸々の教えは清らかでないと説く。「自分に依存しているもののみ善であると」と説きながら、それぞれ別々の真理に固執(こしゅう)している。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳…

木魚歳時記 第2698話

(ブログ筆者より) 以上で(ティッサ・メッテイヤ)の項を終わります。次に(パスーラ)の項に移ります。さて、(パスーラ)とは? 『ブッダのことば』(注)によれば「この教えは『義足経』(巻上)の断片に該当する。とあるだけで、それ以外は詳細は不明…

木魚歳時記 第2697話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「聖者は諸々の欲望を顧みることなく、それを離れて修行し、激流を渡りおわっているので、諸々の欲望に束縛されている人々はかれを羨むのである。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(461) 田中…

木魚歳時記 第2696話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「(俗事から)離れて独り居ることを学べ。これは諸々の聖者にとって最上のことがらである。(しかし)これだけで『自分が最上の者だ』と考えてはならぬ。かれは安らぎに近づいているのだが。」(スッタニパー…

木魚歳時記 第2695話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「聖者はこの世で前後にこの災いのあることを知り、独りでいる修行を堅くまもれ。淫欲の交わりに耽ってはならぬ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(459) 夏目漱石さん。「菫ほど小さき人に生…

木魚歳時記 第2694話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「独りでいる修行をまもっていたときには一般に賢者と認められていた人でも、もしも淫欲の交わりに耽(ふけ)ったならば、愚者のように悩む。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(458) 稲畑汀子…

木魚歳時記 第2693話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「そうして他人に詰(なじ)られたときには虚言に陥(おちい)る。すなわち、(自分から傷つける)刃(悪行)をつくるのである。これがかれの大きな難所である。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳…

木魚歳時記 第2692話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「かれは諸々の(欲の)想いに囚(とら)われて、困窮者(こんきゅうしゃ)のように考えこむ。このような人は、他人からとどく非難の声を聞いて恥じ入ってしまう。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな…

木魚歳時記 第2691話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「かってかれのもっていた名誉も名声も、すべて失われる。このことわりを見たならば、淫欲の交わりを断つことを学べ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(455) 正木ゆう子さん。「簪をぷすりと…

木魚歳時記 第2690話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「かっては独り暮らしでいたのに、のちに淫欲の交わりに陥(おちい)る人は、車が道からはずれたようなものである。世の人々はかれを<卑しい人>と呼び、また<凡夫>と呼ぶ。」(スッタニパータ) 「ボクの…

木魚歳時記 第2689話

(ティッサ・メッテイヤ) 師(ブッダ)は答えた「メッテイヤよ、淫欲の交わりに耽(ふけ)る者は教えを失い、邪(よこしま)な行いをする。これはかれのうちにある卑(いや)しいことがらである。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(453) 野坂…

木魚歳時記 第2688話

(ティッサ・メッテイヤ) ティッサ・メッテイヤさんがいった、「きみよ、淫欲の交わりに耽(ふけ)る者の破滅を説いてください。あなたの教えを聞いて、われらも独り離れて住むことを学びましょう。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(452) …

木魚歳時記 第2687話

(ブログ筆者より) 以上で(老い)の項を終わります。『スッタニパータ』次は、(ティッサ・メッテイヤ)の項に移ります。ティッサは個人名で、メッテイヤは部族の名であります。このティッサとゴータマ・ブッダ(釈尊)対話の形で『スッタニパータ』は進行…