2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第2899話

(序)光を放ちおわった太陽のような、円満になった十五夜の月のような目ざめた人(ブッダ)をアジタは見たのであった。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(658) 中村草田男さん。「あたゝかき十一月もすみにけり」(草田男) 相棒も後期高齢者…

木魚歳時記 第2898話

(序)尊(とおと)き師(ブッダ)はそのとき僧衆に敬(うやま)われ、獅子が林の中で吼(ほ)えるように比丘(びく)らに法を説いておられた。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(657) 飴山 實さん。「白萩の走りの花の五六粒」(實) 「走りの…

木魚歳時記 第2897話

(序)渇(かっ)した人が冷水を求めるように、また商人が大きな利益を求めるように、暑熱に悩まされている人が木陰を求めるように、かれら(16人の衆徒)は急いで尊師(ブッダ)のまします山に登った。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(656…

木魚歳時記 第2896話

(序)さらに享楽(きょうらく)の都市パーヴァーへ、ヴェーサーリへ、マガダの都市(王舎城)へ、またうるわしく楽しい(石の霊地)に達した。 「ボクの細道]好きな俳句(655) 豊田都峰先生。遺句集『林の唄』は、「夏帽を深く渚の風となる」(平成27年)…

木魚歳時記 第2895話

(序)またコンサンビーへ、サーケータへ、最高の都サーヴァッティーに行った。(ついで)セターヴィアへ、カピラヴァットゥへ、クシナーラの宮殿へ(行った)。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(654) 豊田都峰先生。 第10句集『林の唄』は、…

木魚歳時記 第2894話

(序)ムラカの(首都)パチィーターナに入り、それから昔の(都)マーヒッサティへ、またウッヂェーニーへ、ゴーナッダ、ヴェーディサへ、ヴァナサというところへ、(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(653) 豊田都峰先生。「山見えぬ日も山に咲…

木魚歳時記 第2893話

(序)髪を結(ゆ)い羚羊皮(かもしかがわ)をまとったかれらは、すべてバーヴァリを礼し、またかれ(バーヴァリ)に右まわりの礼をして、北方に向かって出発した。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(652) 豊田都峰先生。「あだしののかなもじ…

木魚歳時記 第2892話

(序)かれらはすべて、それぞれの衆徒を率(ひき)い全世界に令名(れいめい)があり、瞑想を行い、瞑想を楽しむ者で、しっかりと落ち着いていて、前世に宿善(しゅくぜん)を植えた人々であった。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(651) 豊田…

木魚歳時記 第2891話

(序)バダラーブダと、ラダヤと、ポーサーラというバラモン(修行者)と、聡明なるモーガラージャと、大仙人ビンギャと、(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(650) 豊田都峰先生。「艶光る筬をいのちに雪を織る」(句集『野の唄』34歳) 京都府…

木魚歳時記 第2890話

(序)ドータカと、ウパシーヴァと、ナンダと、およびヘーマカと、ト-デヤトカッパとの両人と、賢者ジャトウカンニンと、(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(649) 豊田都峰先生。「夕やけの中へ中へと子らかへる」(句集『野の唄』26歳) 子ら…

木魚歳時記 第2889話

(序)バーヴァリのことばを聞いて、弟子たちである十六人のバラモン(修行者)たち、すなわち、アジタと、チィッサ・メッテイアと、ブンナカと、メッタグーと、(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(648) 豊田都峰先生。「子はいねて月夜蛙が田を…

木魚歳時記 第2888話

(序)バーヴァリは云う「もしもかれが、見るはたらきの障礙(しょうぎ)のない目ざめた人(ブッダ)であるならば、心の中で問われた質問に、ことばを以て返答するであろう。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(647) 飴山 實さん。「手にのせ…

木魚歳時記 第2887話

(序)バーヴァリは云う「(わが)生まれと、姓と、身体の特徴と、神呪(習ったヴェーダ)と、また弟子たちと、頭のことと、ただ心の中で(口には出さずに)かれに問え。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(646) 渡辺水巴さん。「団栗の己が落…

木魚歳時記 第2886話

(序)バーヴァリは云う「またもしもかれが家から出て家なきに入れば、蔽(おお)いを開いて、無上なる目ざめた人(ブッダ)、尊敬されるべき人となる。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(645) 星野麥丘人さん。「西行の墓をうちたる木の実か…

木魚歳時記 第2885話

(序)バーヴァリは云う「もしもかれが、(転輪王)として家にとどまるならば、この大地を征服するであろう。刑罰によらず、武器によらず、法によって統括する。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(644) 佐藤小枝さん。「ひよんの実を教へて男…

木魚歳時記 第2884話

(序)バーヴァリは云う「肢体(したい)にこれらの三十二相のある人、かれには二つの前途があるのみ。第三の途(みち)はありえない。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(643) 石田郷子さん。「思ふことかがやいてきし小鳥かな」(郷子) 小…

木魚歳時記 第2883話

(序)バーヴァリは云う「諸々の神呪(ヴェーダ)の中に、三十二の完全なる偉人の相が伝えられ、順次に一つ一つ説明されている。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(642) 石田郷子さん「木枯の大きな息とすれちがふ」(郷子) 郷子さんは、自…

木魚歳時記 第2882話

(序)弟子は問う「では師(バラモン・バーヴァリ)よ、かれを見て、どうして(目ざめた人)(ブッダ)であると知り得るのでしょうか? われらはどうしたらそれを知り得るのか、それを教えてください。われらは知らないのです。」(スッタニパータ) 「ボク…

木魚歳時記 第2881話

(序)そこでかれ(バーヴァリ)は、「世間に出現すること常に稀有(けう)であるところの、かの(目ざめた人)(ブッダ)として令名(れいめい)ある方が、いま世の中に現れたもうた。そなたらは、急いでサーヴァッティーに赴(おもむ)いて、かの最上の人…

木魚歳時記 第2880話

(序)そこでかれ(バーヴァリ)は、(ヴェーダの)神呪(じんじゅ)に通達した諸々の弟子・バラモン(修行者)に告げていった。「来たれ、学生どもよ、われは、そなたたちに告げよう。わがことばを聞け。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(63…

木魚歳時記 第2879話

(序)女神云う「勝利者・智慧豊かな人・いとも聡明な人・荷をおろした人・汚れのない人・頭の落ちることを知っている人・牛王(ごおう)のような人であるかのシャカ族の子(ブッダ)は、コーサラ国の都であるサーヴァッティーにまします。」(スッタニパー…

木魚歳時記 第2878話

(序)かのバーヴァリはこころ喜び、歓喜し、感動して、熱心に、かの女神に問うた。「世間の主は、どの村に、またどの町に、あるいはどの地方にいらっしゃるのですか? そこへ行って最上の人である正覚者(しょうがくしゃ)を礼拝しましょう。」(スッタニパ…

木魚歳時記 第2877話

(序)(目ざめた人)という語を聞いてバーヴァリは歓喜した。かれの憂いは薄らいだ。かれは大いに喜んだ。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(636) 井上菜摘子さん。「檪の実兄がゐさうで投げ返す」(句集『さくらがい』) 「檪」(くぬぎ)は…

木魚歳時記 第2876話

(序)女神云う「かの目ざめた人(ブッダ)、尊き師、眼ある人は、世に法を説き給う。そなたは、かれのもとに赴(おもむ)いて、問いなさい。かれは、そなたにそれを説明するでしょう。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(635) 井上菜摘子さん…

木魚歳時記 第2875話

(序)女神云う「バラモン(バーヴァリ)よ、かれは実に目ざめた人(ブッダ)であり、あらゆるものの極致に達し、一切の神通と力とを得、あらゆるものを見通す眼をもっている。あらゆるものの消滅に達し、煩(わずら)いをなくした解脱(げだつ)しておられ…

木魚歳時記 第2874話

(序)女神云う「むかしカピラヴァットの都から出て行った世界の指導者(ブッダ)がおられます。かれは甘蔗王(かんしょおう)の後裔(こうえい)であり、シャカ族の子で、世を照らす。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(633) 野見山朱鳥さん…

木魚歳時記 第2873話

(序)バーヴァリは問う「ではこの地上において頭のことも頭の裂けて落ちることを、誰が知っておられるのですか? 女神さまどうかわたしに話してください。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(632) 能村登四郎さん。「今思へば皆遠火事のごと…

木魚歳時記 第2872話

(序)女神云う「わたしだってそれを知っていませんよ。それについての知恵はわたしにはありません。頭のことも、頭の落ちることも、諸々の勝利者(ブッダ)が見そなわしておられます。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(631) 鷹羽狩行さん。…

木魚歳時記 第2871話

(序)バーヴァリは問う「では、貴女(女神)は知っておられるのでしょう。お尋ねしますが、頭のことも、頭の落ちることも、わたくしに話してください。われらは貴女のおことばを知りたいのです。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(630) 川崎…

木魚歳時記 第2870話

(序)女神云う「かれ(バラモン)は頭のことしか知っていません。かれは財を欲しがっている詐欺者(さぎしゃ)なのです。頭のことも、頭の落ちることも、かれは知っていないのです。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(629) 加藤郁乎さんあ。…