2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第2869話

(序)バーヴァリが恐れおののき悩んでいるのを見て、(庵室を守る)女神は、かれのためを思って、かれのもとに近づいて、次のように語った。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(628) 片山由美子さん。「それぞれの部屋にこもりて夜長かな」(由…

木魚歳時記 第2868話

(序)かれ(バーヴァリ)は憂いの矢に中(あて)られて、食物もとらないで、うちしおれた。もはや、心がこのような気持ちでは、心は瞑想(めいそう)を楽しまなかった。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(627) 岡本 眸さん。「亡き夫の下着焼…

木魚歳時記 第2867話

(序)詐(いつわ)りをもうけた(そのバラモン)は、(呪詛の)作法をして、恐ろしいことを告げた。かれのその(呪詛の)のことばを聞いて、バーヴァリは苦しみ悩んだ。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(626) 西東三鬼さん。「秋の暮大魚の骨…

木魚歳時記 第2866話

(序)(そのバラモンは云う)「わたくしが乞(こう)ているのに、あなたが施(ほどこ)してくださらないならば、いまから七日の後に、あなたの頭は七つに裂(さ)けてしまえ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(625) 飯田蛇笏さん。「をりと…

木魚歳時記 第2865話

(序)「わたくしがもっていた施物(せもつ)はすべて、わたくしが施(ほどこ)してしまいました。バラモンよ、どうかおゆるしください。わたくしは五百金がないのです。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(624) 古橋成光さん。「黄落や女体に似…

木魚歳時記 第2864話

(序)バーヴァリはかれ(バラモン)を見て、座席を勧(すす)め、かれが快適であるかどうか、健康であるかどうか、をたずね、次のことばを述べた。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(623) 草間時彦さん。「胡桃噛むバッハは真面目すぎていや」…

木魚歳時記 第2863話

(序)(バラモンは)足を傷(いた)め、のどが渇(かわ)き、歯はよごれ、頭は塵(ちり)をあびて、かれ(バラモン)は、(庵室の中の)かれ(バーヴァリ)に近づいて、五百金を乞(こ)うた。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(622) 和田悟朗…

木魚歳時記 第2862話

(序)かれは大きな祭りをなし終わって、自分の庵(いおり)にもどった。かれがもどってきたときに、他のバラモン(修行者)がやってきた。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(621) 西東三鬼さん。「中年や遠くみのれる夜の桃」(三鬼) 比喩(…

木魚歳時記 第2861話

(序)その河岸の近くに一つの豊かな村があった。そこから得た収益によってかれは大きな祭りを催(もよお)した。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(620) 稲畑汀子さん。「すがりたる草に沈みていぼむしり」(汀子) 「いぼむしり」とは蟷螂(…

木魚歳時記 第2860話

(序)かれはアッサカとアラカ(両国)の中間を地域を流れるゴーダーヴァリー河の岸辺に住んでいた。落穂を拾い木の実を食って。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(619) 永井敦子さん、「きちきちの時に不穏な音たつる」(敦子) 「きちきち」…

木魚歳時記 第2859話

(序)明呪(ヴェーダ)に通じたバラモン(バーヴァリ)は、無所有の境地を得ようと願って、コーサラ族の美しい都から、南国へとやってきた。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(618) 右城暮石さん。「ぎすの声たかぶることもなくつづく」(暮石…

木魚歳時記 第2858話

(ブログ筆者より) 以上で(サーリブッダ)の項を終わります。すなわち『スッタニパータ』(第4章・「八つ詩句の章」が終わりました。次に『スッタニパータ』(第五章・「彼岸に至る道の章」に移ります。最初は、その(序)です。この項(序)は、従来のブ…

木魚歳時記 第2857話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「修行僧は、よく気をつけて、心もすっかり解脱(げだつ)して、これらのものに対する欲望を抑制せよ。かれは適当な時に理法を正しく考察し、心を統一して、暗黒を滅ぼせ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳…

木魚歳時記 第2856話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「またさらに、世間には五つの塵垢(ちりあか)がある。よく気をつけて、それらを制するためにつとめよ。すなわち色かたちと音声(おんじょう)と味と香りと触れられるものに対する貪欲(とんよく)を抑制せよ。」(ス…

木魚歳時記 第2855話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「他人からことばで警告されたときには、心を落ち着けて感謝をせよ。共に修行をする人々に対する荒(すさ)んだ心を断て。善いことばを発せよ。その時にふさわしくないことばを発してはならない。人々をそしることを思…

木魚歳時記 第2854話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「眼を下に向けて、うろつき廻ることなく、瞑想(めいそう)に専念して、大いにめざめておれ。心を平静にして、精神の安定をたもち、思いわずらいと欲のねがいと悔恨(かいこん)とを断ち切れ。」(スッタニパータ) 「…

木魚歳時記 第2853話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「適当な時に食物と衣服とを得て、ここで(少量に)満足するために、(衣食の)量を知れ。かれは衣食に関しては恣(ほしい)ままならず、慎(つつ)しんで村を歩み、罵(ののし)られてもあらあらしいことばを発しては…

木魚歳時記 第2852話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「すなわち『わたしは何を食べようか』『わたしはどこで食べようか』『(昨夜は)わたしは眠りづらかった』『今夜はわたしはどこで寝ようか』家を捨て道を学ぶ人は、これらの(四つの)憂いを導く思慮(しりょ)を抑制…

木魚歳時記 第2851話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「智慧をまず第一に重んじて、善を喜び、それらの危難にうち勝て。奥まった土地に臥(ふ)す不快に堪(た)えよ。次の四つの憂うべきことに耐えよ。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(610) 高野素十さん…

木魚歳時記 第2850話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「怒りと高慢とに支配されるな。それらの根を掘りつくしておけ。また快いものも不快なものも、両者にしっかりと、うち克(か)つべきである。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(609) 寺山修司さん。「さ…

木魚歳時記 第2849話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「盗みを行ってはならぬ。虚言を語ってはならぬ。弱いものでも強いものでも(あらゆる生きものに)慈(いつく)しみを以って接せよ。心の乱れを感ずるときには、『悪魔の仲間』であると思って、これを除き去れ。」(ス…

木魚歳時記 第2848話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「病にかかり、餓(うえ)に襲われても、また寒冷や酷暑にも耐え忍ぶべきである。かの(家なき人)は、たといそれらに襲われることがいろいろ多くても、勇気をたもって、堅固に努力をなすべきである。」(スッタニパー…

木魚歳時記 第2847話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「異なった他の教えを奉ずる輩(ともがら)をも恐れてはならない。たといかれらが多くの恐ろしい危害を加えるのを見ても。また善を追求して、他の諸々の危難にうち勝て。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句…

木魚歳時記 第2846話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「しっかりと気をつけ分限を守る聡明な修行者は、五種の恐怖におじけてはならない。すなわち襲いかかる虻(あぶ)と蚊(か)と爬虫類(はちゅうるいと)四足獣と人間(盗賊など)に触れることである。」(スッタニパー…

木魚歳時記 第2845話

(サーリブッダ)師(ブッダ)は答えた「サーリーブッダ世を厭(いと)い、人なき所に坐臥し、さとりを欲する人が楽しむ境地および法にしたがって実践する次第を、わたくしの知り究めたところによって、そなたに説き示そう。」(スッタニパータ) 「ボクの細…

木魚歳時記 第2844話

(サーリブッダ)サーリブッダは言った「心を安定させ気を落ちつけている賢者は、どのような学修を身に受けて、自分の汚れを吹き去るのですか? 譬(たとえ)ば、鍛冶(かじ)工が銀の垢を吹き去るように。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(6…

木魚歳時記 第2843話

(サーリブッダ)サーリブッダは言った「熱心に努める修行者は、いかなることばを発すべきか? ここでかれのふるまう範囲はいかにあるべきか? かれのまもる戒律や誓はどのようなものなのですか?」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(602) 小川…

木魚歳時記 第2842話

(サーリブッダ)サーリブッダは言った「未踏の地におもむく人にとっては、この世にどれだけの危難があることだろう。修行者は辺鄙(へんぴ)なところに坐臥していても、それらの危難にうち克(か)たなければならないのだが。」(スッタニパータ) 「ボクの…

木魚歳時記 第2841話

(サーリブッダ)サーリブッダは言った「また(修行者は)種々の座所のうちにいるのであるが、そこにはどんなにか怖ろしいことがあるのだろう。修行者は音のしないところに坐臥(ざが)していても、それらを怖れて震えてはならないのだが。」(スッタニパー…

木魚歳時記 第2840話

(サーリブッダ)サーリブッダは言った「修行者は世を厭(いと)うて、人のいない座所や樹下や墓地を愛し、山間の洞窟の中におり・・」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(599) 西東三鬼さん。「露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す」(三鬼) こう…