木魚歳時記 第1904話

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  「想念」(そうねん)を焼き尽くして余すことなく、心の内がよく整えられた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。―蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。」(スッタニパータ)

 「想念」(そうねん)とは、頭の中でいろいろと思いめぐらせることです。いわゆる思慮分別(しりょふんべつ)のことを指します。心の静まった修行者は<頭の中で考える>思慮分別を焼き尽くして余すところがないと述べます。すなわち<頭の中で考える>思慮分別は必要がないと説くのです。俳句の世界でもおなじです。季語とか、定型とか、切れとか、リズムとかそれは必要ですが、あれこれと頭の中で思いめぐらせるうちは作品に感動(伝わるもの)が生まれません。

      たましひのしんどいときのクロッカス