木魚歳時記第4271話

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 重盛は専ら衆徒と談合して、二人の兵を山に渡さないで、院もしくは、朝廷で衆徒の満足するように処理すると宗徒をなだめて、死刑一等を減じて、流刑ということで衆徒たちを納得させたのも重盛の徳望と平家の権勢とのためであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)928

        秋すだれ夢二彦乃の寓居跡

 「ボクの細道]好きな俳句(2012) 池田澄子さん。「暇乞い旁百合を嗅いでいる」(澄子) 「暇乞」(いとまごい)とは? まさか、大切に飼っていた猫が「野良」に転じるとか? (男が)使い古した(自分の)下着を嗅(か)いでいるとか? さて、「わたしは、なぜいま映画館に座っているのか?」これはぜひ、映画館で体験しながら考えてみたい事の一つです。

  ぼんぷにきかせる、をやのな(名)を、
  きかせてよろこぶ、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)

 

木魚歳時記第4270話

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 これは容易ならぬ一大事である。山は今や院の一敵国として現れた。もし山の要求を容れることは、やがて国権をみだすことになる。
(佐藤春夫『極楽から来た』)927

       箱庭に砂糖で造る礼拝堂

 「ボクの細道]好きな俳句(2011) 池田澄子さん。「嘆きとかアイスキャンデーとか湖畔とか」(澄子) 自由奔放(ほんぽう)な作風が楽しい。さて、秋の七草を覚える方法(その一つ)に「5・7・5・7」のリズム感での暗唱があります。「ハギ・キキョウ クズ・フジバカマ オミナエシ オバナ・ナデシコ」秋の花。このリズム感のことです。

  なむあみだぶを、ゑ(得)るのにわ、
  とくしん(得心)させる、みだの明をごを(名業)、
  なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)

 

木魚歳時記第4269話

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 しかし、山では神輿を射て神域を冒し衆徒を殺した二人を禁獄では承知せず、三宝の敵を山に渡せと迫った。山ではこれを私刑にしようとしている。
(佐藤春夫『極楽から来た』)926

      雷鳴や神は河川をさかのぼる

 「ボクの細道]好きな俳句(2010) 池田澄子さん。「花よ花よ」と老若男女歳をとる」(澄子) 「花よ蝶よ」が下敷きとなった作品でしょうか?「花よ蝶よ」と、掌の中で大切に育てられた幼子もよる年波となりました。いや、違うかな? 「花よ花よ」あります。花の「宴」に参加する同窓生も、すっかり、老若男女に「歳」を召しました?

  よおこびはわ、たゑ(断)もせず、
  ざんき(慙愧)も、たゑもせず、
  よろこび、ざんざわ、むねのはな。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)

 

木魚歳時記第4268話

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  それには第一に衆徒の要請を容れることである。是非なく師高を尾張に配流し、神輿に射かけた重盛の郎党二人を禁獄して事に一段落をつけようとした。
(佐藤春夫『極楽から来た』)925

       天涯にあ。うんと咲きし朴の花  朴(ほう)

「ボクの細道]好きな俳句(2009) 池田澄子さん。「地図に見る明日行くところ萩の卍」(澄子) 「卍」とは? 「萩の寺」のことでしょう。「卍」(マンジ)は、仏像の胸に描き、右旋・左旋の両種があり、わが国の仏教では主に左旋を用いるようです。ふと、ナチス・ドイツの「ハーケンクロイツ」のことが思い浮かびます。

  みのりのふねは、ろくじ(六字)のふねで、
  ろくじのふねに、のりぬれば、
  ろくじのかぜに、まませとられて、
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)

 

 

木魚歳時記第4267話

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 神輿を置き去りにするのは衆徒ら最後の切り札的常套(じょうとう)戦法で、これにはいつもみな辟易(へきえき)した。畏(おそ)るべき神輿の取り扱いに粗相があってはならない。これは一刻も早く引き取ってもらわなくては困る。
(佐藤春夫『極楽から来た』)924

       夕焼けの中を歩いて帰りたい

 「ボクの細道]好きな俳句(2008) 池田澄子さん。「蛇苺いつも葉っぱを見忘れる」(澄子) そのとおりです。蛇苺は小さな苺の葉っぱに囲まれていますが、そのことに気付くことはありません。それは、蛇苺の雰囲気あまりにも強烈に迫るからです。こうしたことは「社会」においてもままあることです。

  なむ(南無)がわしなら、あみだ(阿弥陀)もわしよ、
  これがろくじ(六字)の、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)

 

 

木魚歳時記第4266話

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 神輿を押し立てて向かい来る衆徒に対して、重盛の軍は善戦した。さんざんに射かけた矢は二、三の僧兵を殺し神輿にも突きささった。この思い切った奮戦に恐れをなした衆徒は得意の白兵戦にも及ばず神輿を二条の路地に捨て、先を争って逃げ去った。
(佐藤春夫『極楽から来た』)923

       地の底に千の菩薩や草茂る

 「ボクの細道]好きな俳句(2007) 池田澄子さん。「蓬摘み摘み了えどきがわからない」(澄子) 「蓬」(よもぎ)は春季となります。なるほど、ヨモギは盛んな時、足元一面に茂りますから・・どこまで摘んでいいのかわからくなります。ボクが子どもの頃は、母が、鴨川の土手で摘んだヨモギで、蓬餅をこしらえてくれました。

  わたしのうまれは、じごくのうまれ、
  わたしや、たびいぬ(宿なし犬)、
  ををすべて(尾をすぼめて)
  うきよをすごす、なむあみだと。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)

 

木魚歳時記第4265話

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 院は平重盛と源頼政とに命じて宮門を固めさせた。頼政が言葉巧みに持ちかけて徒衆を重盛の守る陽明門に向かわせたのはこの時の事である。
(佐藤春夫『極楽から来た』)922

      老いてなほカンナの赤に嵌りけり     嵌(はま)り

 「ボクの細道]好きな俳句(2006) 池田澄子さん。「人類の旬の土偶のおっぱいよ」(澄子) 土偶(どぐう)の「おっぱい」を指して、人類の旬(しゅん)」とは、言い得て得難い至言です。口語俳句の第一人者として君臨されます。某氏Sなど、カンナの赤に染まっている段には安全です(汗)。

  かわりなさらの(ぬ)、をやさまはわ
  わたしに、なりて、くださるをやわ、
  なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)