2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第2018話

(ゴータマは答えた)「雪山に住むものよ、六つのものがあるとき世界が生起し、六つのものに対して親しみ愛し、世界は六つものに悩まされている。」(スッタニパータ) 「六つのもの」とは? それは、眼(げん)、耳(じ)、鼻(び)、舌(ぜっ)、身(しん…

木魚歳時記 第2017話

(雪山の神霊は問う)「何があるとき世界は生起するのでしょうか? (世間の人々は)何に対して親しみ愛するのですか? 世間の人々は何ものに執着(しゅちゃく)しており、世間の人々は何ものに悩まされているのですか?」(スッタニパータ) 坐禅して瞑想に…

木魚歳時記 第2016話

(二人の神霊はいう)「(解脱への道を)説き示す人、(解脱への道を)解き明かす人、あらゆることがらの究極をきわめ、怨(うら)みと惧(おそ)れを超えて目ざめた人、ゴータマ・ブッダに尋ねてみよう。」(スッタニパータ) 雪山に住む神霊と、サータ山に…

木魚歳時記 第2015話

(雪山の神霊がいう)「諸々の欲望をかえりみることなく、あたかも獅子のように象のように独り行くかれ(ゴータマ)に近づいて、われらは尋ねよう。死の縛(いましめ)から解き放たれる道を。」(スッタニパータ) 前項の「かの聖者(ゴータマ)は、羚羊(か…

木魚歳時記 第2014話

(雪山の神霊がいう)「かの聖者(ゴータマ)は、羚羊(かもしか)のような脛(すね)があり、痩(や)せ細って、聡明であり、小食で貪(むさ)ることがなく、森の中で静かに瞑想(めいそう)している。来たれ、われ(神霊)らは、ゴータマ・ブッダと見(ま…

木魚歳時記 第2013話

(七岳という神霊はいう)「聖者(ゴータマ)の心は行動とことばをよく具現している。さあ、われ(神霊)らは明知と行いとを完全に具(そな)えているゴータマと見(まみ)えよう。」(スッタニパータ) 北インドの雪山の麓で法を説く聖者(ゴータマ)に対す…

木魚歳時記 第2012話

(雪山の神霊がいう)②「聖者(ゴータマ)の心は行動とことばをよく具現している。明知(めいち)と行いとを完全に具(そな)えている。かれ(ゴータマ)を、そなた(七岳)が随喜(ずいき)するのは当然である。」(スッタニパータ) ジャイナ教の<七岳>…

木魚歳時記 第2011話

(雪山の神霊がいう)①「聖者(ゴータマ)の心は行動と言葉をよく具現している。明知(めいち)と行いとを完全に具(そな)えている。かれ(ゴ-タマ)を、そなた(七岳)が讃嘆(さんたん)するのは当然である。」(スッタニパータ) 初期仏教(『スッタニ…

木魚歳時記 第2010話

(七岳という神霊が答えた)「かれ(ゴータマ)は明知を具(そな)えている。また、かれの行いは全く清らかである。かれのすべての煩悩(ぼんのう)の汚れは消滅している。かれ(ゴータマ)はもはや再び世に生まれるということがない。」(スッタニパータ) …

木魚歳時記 第2009話

雪山の神霊が問う「かれ(ゴータマ)は明知を具(そな)えているだろうか? かれの行いは全く清らかであろうか? かれの煩悩(ぼんのう)の汚れは消滅しているであろうか? かれはもはや再び世に生まれるということがないであろうか?」(スッタニパータ) …

木魚歳時記 第2008話

(七岳という神霊が答えた)「かれ(ブッダ」は欲望の享楽に耽(ふけ)らない。また、その心は濁(にご)っていない。すべての迷妄(めいもう)を超(こ)えている。目ざめた人として諸々のことがらを明(あき)らかに見とおす眼をもっている。」(スッタニ…

木魚歳時記 第2007話

(雪山の神霊が問う)「かれ(ブッダ」は欲望の享楽に耽(ふけ)らないだろうか?その心は濁(にご)っていないだろうか?迷妄(めいもう)を超(こ)えているだろうか?諸々のことがらを明(あき)らかに見とおす眼をもっているだろうか?」(スッタニパー…

木魚歳時記 第2006話

七岳という神霊が答えた「かれ(ブッダ)は嘘をつかない。また粗暴なことばは発しない。また中傷の悪口は言わない。くだらぬおしゃべりも言わない。」(スッタニパータ) ここで「ジャイナ教」について。以前に「バラモン教」(BC15~)と「ヒンドウー教」(…

木魚歳時記 第2005話

雪山の神霊が問う「かれ(ブッダ)は嘘(うそ)をつかないだろうか?粗暴(そぼう)なことばを発しないだろうか?中傷(ちゅうしょう)の悪口を言わないだろうか?くだらぬおしゃべりはしないだろうか?」(スッタニパータ) 再び、ウポーサタの行事について…

木魚歳時記 第2004話

七岳(サターサ山の神霊)は答えた「かれ(ブッダ)は与えられないものは取らない(盗みはしない)。かれは生きものを殺さない。かれは怠情(たいじょう)から遠ざかっている。かれ(ブッダ)、すなわち、目ざめた人は精神統一をやめることがない。」(スッ…

木魚歳時記 第2003話

雪山(せつせん)の神霊が問う「かれ(ブッダ)は、与えられないものを取らないであろうか(盗人)?かれは生きものを殺さないように心がけているであろうか?かれは怠情(たいじょう)から遠ざかっているであろうか?かれは精神の統一をやまないであろうか…

木魚歳時記 第2002話

七岳(サターサ山の神霊)は答えた。「このような立派なかれ(ブッダ)の心は、一切の生きとし生けるもの対してよく安立(あんりゅう)している。また望ましいものに対しても望ましくないものに対しても、かれ(ブッダ)の意欲はよく制せられている。」(ス…

木魚歳時記 第2001話

雪山(せつせん)の神霊はいう「このような立派な人(ブッダ)の心は、一切の生きとし生けるものに対してよく安立(あんりゅう)しているのだろうか。望ましいものに対しても、望ましくないものに対しても、かれ(ブッダ)の意欲はよく制されているのであろ…

木魚歳時記 第2000話

七岳(なながく)はいう「今日は十五日のウポーサタである。みごとな夜が近づいた。さあ、われわれは世にもすぐれた名高い師ゴータマ(ブッダ)にお目にかかろう。」(スッタニパータ) 七岳とは、サータ山の神霊(夜叉)です。神霊(しんれい)とは、古代イ…

木魚歳時記 第1999話

(ブログ筆者より) 「慈しみの経」と称される叙事詩10編を読み、「慈しみ」(後期仏教では「慈悲」の教えとして説かれる)について述べて来ました。さて、ゴータマ・ブッダ(釈尊)が法を説かれた舞台は、北インドの雪山(ヒマラヤ)の山麓(現・ネパール…

木魚歳時記 第1998話

「慈しみの経」(10)「諸々の邪(よこしま)な見解にとらわれず、戒めを保ち、見るはたらきを具(そな)えて、諸々の欲望に関する貪(むさぼ)りを除いた人は、決して再び母体に宿ることがないであろう。」(スッタニパータ) 「再び母体に宿ることがない…

木魚歳時記 第1997話

「慈しみの経」(9)「立ちつつも、歩みつつも、坐しつつも、臥(ふ)しつつも、眠らないでいる限りは、この(慈しみの)心づかいをしっかりと保(た)もて。この世では、この状態を崇高(すうこう)な境地と呼ぶ。」(スッタニパータ) 崇高(すうこう)な…

木魚歳時記 第1996話

「慈しみの経」(8)「また全世界に対して無量の慈しみの意(こころ)を起こすべし。上に、下に、また横に、障害なく怨みなく敵意なき(慈しみを行うべし)。(スッタニパータ) 「慈しみ」の意(こころ)を起こすべし。「慈しみ」の行為を行うべし。とあり…

木魚歳時記 第1995話

「慈しみの経」(7)「あたかも、母が己(おの)が独り子を命を賭(か)けても護るように、そのように一切の生きとし生けるものに対しても、無量の(慈しみの)こころを起こすべし。」(スッタニパータ) 生きとし生きる<もの>に対する「慈しみ」とは、生…

木魚歳時記 第1994話

「慈しみの経」(6)「何びとも他人を欺(あざむ)いてはならない。たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。」(スッタニパータ) 「己(おのれ)の安楽を望む…

木魚歳時記 第1993話

「慈しみの経」(5)「目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。」(スッタニパータ) 「生きとし生きるも…

木魚歳時記 第1992話

「慈しみの経」(4)「いかなる生物(いきもの)生類(しょうるい)であっても、怯(おび)えているものでも、強剛(きょうごう)なものでも、悉(ことごと)く。長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細(びさい)なもので…

木魚歳時記 第1991話

「慈しみの経」(3)「他の識者の非難を受けるような下劣な行いを、決してしてはならない。一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏で、安楽であれ。」(スッタニパータ) 己(おのれ)の行為を正して、すべてのものの安楽と幸せを願うとあります。さ…

木魚歳時記 第1990話

「慈しみの経」(2)「足(た)ることを知り、わずかな食物で暮らし、雑務少なく、生活もまた簡素であり、諸々の感官(かんかん)が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々の(ひとの)家で貪(むさぼ)ることがない。」(スッタニパータ) 貪(むさぼ)るな…

木魚歳時記 第1989話

「慈しみの経」(1)「究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。能力あり、直(なお)く、正しく、ことばやさしく、柔和(にゅうわ)で、思い上がることのない者であらねばならぬ。」(スッタニパータ) お経に「…