木魚歳時記 第1918話

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 師は答えた。「わたくしは何びとの傭(やと)い人でもない。みずから得たものによって全世界を歩む。他人に傭(やと)われる必要はない。神よ、もしも雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」(スッタニパータ)

 「他人に傭(やと)われる必要はない」。「みずから得たものによって全世界を歩む。」とは、生活の糧(かて)を得るための日常の暮らし、つまり、遊牧の暮らし(作業)のことだけを指すのではありません。精神的な悩み迷いを排除して、まったく安らかに日々の暮らしが過ごせるという自信に満ちたことばであります。あらゆる悩み迷いから解放された<悟りの境地>を示すことばであります。

       みんなみなせかいのものは春をまつ