2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第1868話

兎の施(ほどこし) 猿と、山犬と、カワウソと、兎が仲よく暮らしておりました。ところで、或る日、四匹の棲んでいるところに、ボサツさまがこられることになりました。そこで四匹は、ボサツさまにそれぞれが施(ほどこし)をしようと、猿は木の実を、山犬は…

木魚歳時記 第1867話

ボサツと鷹 鷹に追われた鳩がボサツの懐に入りました。やがて鷹が来て鳩をよこせと迫ります。「よこせ、だめだ」の押し問答の末、鳩と等量のボサツの肉を渡すことで話がつきました。ボサツは右の腿(もも)肉を削(そ)いで秤(はかり)に乗せて渡しました。…

木魚歳時記 第1866話

性悪のワニ 猿たちが、ボサツさまのところにやって来て「水が呑めずに困っております」といいました。ワニが池に棲みついて、それで怖くて水が呑めないのです。ボサツさまが調べてみると、なるほど、池の方に向かった足跡はありましたが、池から戻ってきた足…

木魚歳時記 第1865話

あわて兎 あわて兎の巣穴のところでドスンと音がしました。兎はなにがなんだかわかりません。そこで、兎は水牛のところに、水牛はサイのところに、サイはトラのところに、トラはライオンのところに「大地が壊れたのでは」と、それはそれは、大変な騒ぎとなり…

木魚歳時記 第1864話

平等院 平等院(びょうどういん)は、永承七年(1052)、藤原頼通(よりみつ)が父道長の別荘である宇治殿(うじでん)を寺に改め平等院と称したのに始まります。その翌年に阿弥陀堂(鳳凰堂)が完成。本尊の定朝作・阿弥陀如来坐像(国宝)を始め、宇堂…

木魚歳時記 第1863話

県神社 県神社(あがたじんじゃ)は、永承七年(1052)平等院の建立にあたり、平等院の鎮守社(鬼門除け)として創設されました。明治維新の神仏分離政策により独立して現在に至っています。社名の由来は、祭神の吾田津姫(あがたづひめ)、上代の呼称で…

木魚歳時記 第1862話

蟹満寺 蟹満寺(かにまんじ)は、真言宗綺田寺(かばたでら)が正式の名称です。山城町綺田(かばた)郷に因むとか。『和名抄』に、綺田(かばた)を「加無波多」(かむはた)と読ませたのに因むともいわれます。寺には<綺戸辺>(かにはとべ)の美女伝説が…

木魚歳時記 第1861話

石清水八幡宮 石清水八幡宮(いわしみずはちまんづう)は、八幡市(やはたし)男山(おとこやま)の山頂にあり「男山八幡宮」(おとこやまはちまんぐう)とも呼ばれています。貞観元年(859)に、南都(大和)の大安寺の僧行教に宇佐八幡宮の宣託が下り、…

木魚歳時記 第1860話

本願寺 本願寺(ほんがんじ)は、天平二年(730)行基の開創と伝えられます。建久三年(1192)久美庄の伊賀氏の招きで法然上人が滞在されたとき、一山(いっさん)六坊がみな帰依して浄土宗に改宗したと伝えられています。本堂は、瀟洒な中にも清楚な…

木魚歳時記 第1859話

竹野神社 竹野神社(たかのじんじゃ)は、垂仁天皇に仕えた<竹野姫(たかのひめ)>が、老いて郷里の竹野(たかの)に戻り、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀ったのが始まりと伝えられています。江戸期には、宮津、出石(いずし)両藩の歴代藩主の崇敬…

木魚歳時記 第1858話

浦島神社 浦島神社(うらしまじんじゃ)は、宇良神社とも呼ばれています。もちろん、『日本書紀』の雄略天皇二二年の条に伝える<浦嶋子>すなわち<浦島太郎>ゆかりの寺であります。浦島太郎の伝説は『本朝神仙伝』『扶桑略記』(ふそうりゃくき)にも記載…

木魚歳時記 第1857話

成相寺 成相寺(なりあいじ)は、西国三十三所観音霊場の第二八番札所(ふだしょ)です。慶雲元年(704)、真応の開山と伝えられています。この寺は<四方の霊験所>の一つに数えられ、修験(しゅげん)の聖地としても有名です。寺の本堂は、安永三年(1…

木魚歳時記 第1856話

籠神社 籠神社(このじんじゃ)は「丹後一ノ宮」に挙げられる由緒ある神社です。嘉承二年(849)に初めて従五位の神階を授与され、中世には、五九町にわたる所領を有していたと伝えられます。また、伊勢外宮の元宮の地ともされます。さらに、境内にある「…

木魚歳時記 第1855話

切戸の文殊 切戸の文殊(もんじゅ)は俗称です。寺の名称は正式には臨済宗妙心寺派の智恩寺(ちおんじ)となります。この寺の文殊堂に祀られた文殊菩薩が有名で、別名<知恵の文殊>とも呼ばれ、日本三大文殊の一つに数えられています。大同三年(808)、…

木魚歳時記 第1854話

楊谷観音 楊谷観音(やなぎたにかんのん)は、西山浄土宗楊谷寺の通称です。大同元年(802)、清水寺の開祖延鎮(えんちん)が霊告により、当地の柳の間から本尊である十一面千手千眼の観世音菩薩像を発見、一宇(いちう)を建立したのが始まりと伝えられ…

木魚歳時記 第1853話

許波多神社 許波多神社(こばたじんじゃ)は、五ヵ庄一帯の産土神(うぶすながみ)であったそうです。壬申の乱(672)に大海人皇子(おおあまのおうじ)が、柳の枝をささげ戦勝を祈願したところ勝利を得たところから、当社を柳大明神と呼ばれたと伝えらて…

木魚歳時記 第1852話

市比賣神社 市比賣神社(いちひめじんじゃ)は、延歴十四年(795)藤原冬嗣が平安京の東西市の守護神として創建したと伝えらます。平安末期に生後五十日目の子供に餅を買い与える風習が生まれ、安徳天皇誕生の折にもそれが行われたと伝えられています。境…

木魚歳時記 第1851話

伏見稲荷大社 伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)は、全国に約四万あるという稲荷神社の総本社です。和銅四年(611)に、秦伊呂具(はたのいろぐ)が稲荷山の三ヵ峰に社を建て、三柱を祀ったのが始まりと伝えられます。稲荷山は、古くから神奈備山(か…

木魚歳時記 第1850話

醍醐寺 醍醐寺(だいごじ)は、真言宗醍醐派の総本山です。貞観十六年(874)、聖宝(しょうぼう)が、笠取山(醍醐山)に草庵を結んだのが始まりと伝えられます。延喜七年(907)に醍醐天皇の勅願寺となり、諸堂伽藍(がらん)の整備が行われました。…

木魚歳時記 第1849話

城南宮(じょうなんぐう) 城南宮。この神社の創設については、平安京の南の守護神、城南寺(当時)の鎮守社、応徳三年(1086)「鳥羽殿」建立時に守護神として創設された・・など諸説があるようです。ともかく、城南宮は古くから<方除け>の神として信…

木魚歳時記 第1848話

随心院(ずいしんいん) 随心院は、真言宗善通寺派の本山です。この寺は<小野門跡>と呼ばれるように、密教の一派である「東蜜」(とうみつ)に基ずく小野派の発祥の地であります。西暦二年(991)、仁海(にんかい)がこの地に曼荼羅寺(まんだらじ)を…

木魚歳時記 第1847話

六孫王神社(ろくそんおうじんじゃ) 六孫王神社は、応和元年(961)、六孫王こと源経基(清和源氏の祖)の霊廟として「六孫王神祠」として祀ったのに始まります。その後の変遷を経て、元禄十五年(1702)徳川家の援助で再興、宝永四年(1707)に…

木魚歳時記 第1846話

東寺(とうじ) 東寺は、正式には、教王護国寺(きょうおうごこくじ)と称します。延暦十三年(794)、平安京建都の際に、羅城門を中心として、その東西に,、東寺、西寺(さいじ)の二大官寺が創建されました。弘仁十四年(823)、弘法大師「空海」に…

木魚歳時記 第1845話

松尾大社(まつおたいしゃ) 松尾大社は、松尾大社(まつのおたいしゃ)とも呼ぶようです。大宝元年(701)秦忌寸都理(はたのいみきとり)松尾山大杉谷の磐座(いわくら)の神霊を勧請して創建したと伝えられます。平安京に於いて、賀茂の巌神、松尾の猛…

木魚歳時記 第1844話

法輪寺(ほうりんじ) 法輪寺は、嵯峨・渡月橋東の嵐山中腹にあります。和銅六年(713)年、元明天皇の勅願(ちょくがん)により行基(ぎょうき)が開いた葛井寺に始まるそうです。天長六年(829)、道昌が生身の虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)を安置し…

木魚歳時記 第1843話

了徳寺(りょうとくじ) 了徳寺は、大水四年(1524)正西により創設されました。現在の地に移った由来は、建長四年(1524)、親鸞(しんらん)が月輪寺(つきのわでら)参詣と途中に立ち寄ったときに、住民が大根を煮てもてなしたのに謝して、薄(す…

木魚歳時記 第1842話

化野念仏寺(あだしのねんぶつじ) 化野念仏寺は、古来、都の葬送地でありました。化野(あだしの)に葬られた多くの無縁死者の菩提(ぼだい)を弔うために、空海が、弘仁年間(810~24)に開創したと伝えられ、元は五智山如来寺と称する真言宗の寺であ…

木魚歳時記 第1841話

嵯峨釈迦堂(さがしゃかどう) 嵯峨釈迦堂は、浄土宗・清冷寺(せいりょうじ)が正式の呼称です。寛平七年(895)に源融(みなもととおる)の山荘を棲霞寺(せいかんじ)としたのが創設とされます。後に、天慶八年(945)、重明親王がこれを新堂に改め…

木魚歳時記 第1840話

愛宕神社(あたごじんじゃ) 愛宕神社は、全国に八百余社あるといわれる愛宕神社の総本社です。その沿革については諸説があるようです。大宝年間(701~04),、役小角(えんのおずめ)が天狗大魔王の示現に始まるという説。和気清麻呂(わけのきよまろ…

木魚歳時記 第1839話

梅宮大社(うめのみやたいしゃ) 梅宮大社は、主神に酒解神(さけとけのかみ)、酒解子神(さけとけのこかみ)を祀る<酒の神>の神社です。平安遷都(せんと)後、仁明天皇の時代に、山城の国・相楽郡井手からり現在地に移ったと伝えられます。檀林皇后(橘…