2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第2564話

(ナーラカ)ナーラカは尊師(ブッダ)にいった「アシタ(仙人)の告げたこのことばはそのとおりであるということを了解しました。故に、ゴータマ(ブッダ)よ、一切の通達者であるあなたにおたずねいたします。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳…

木魚歳時記 第2563話

(ナーラカ)序 「すぐれた勝利者(ブッダ)が法輪をまわしたもう」とのうわさを聞き、アシタという(仙人)の教えのとおりなったときに、出かけて行って、最上の人である仙人(ブッダ)に会って信仰の心を起し、いみじき聖者(ブッダ)に最上の聖者(ブッダ…

木魚歳時記 第2562話

(ナーラカ)序 その聖者(アシタ仙人)は、その聖者(アシタ仙人)は、人のためをはかる心あり、未来における最上の清らかな境地を予見していた。その聖者に教えられて、かねて諸々の善根を積んでいたナーラカは、勝利者(ブッダ)を待望しつつ、みずからの…

木魚歳時記 第2561話

(ナーラカ)序 アシカ仙人はいった「もしもお前(ナーラカ)が後に『目ざめた人あり、さとりを開いて、真理の道を歩む』という声を聞くならば、そのときそこへ行って、その師(ブッダ)の教えをたずね、その師(ブッダ)のもとで清らかな行いを行え。」(ス…

木魚歳時記 第2560話

(ナーラカ)序 かの清らかな修行者(アシタ仙人は)シャカ族の人々に大きな喜びを起こさせて、宮廷から去っていった。かれは自分の甥(おい)ナーラカをあわれんで、比(たぐい)なき人の教えに従うようにすすめた。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好き…

木魚歳時記 第2559話

(ナーラカ)序 アシカ仙人はいった「ところが、この世におけるわたくしの余命はいくばくもありません。(この方がさとりを開かれるまえに)わたくしは死んでしまうでしょう。わたくしは比(たぐい)なき力のある人の教えを聞かないでしょう。だから、わたく…

木魚歳時記 第2558話

(ナーラカ)序 アシカ仙人はいった「この王子は最高のさとりに達するでしょう。この人は最上の清浄を見、多くの人々のためをはかり、あわれむが故に、法輪をまわすでしょう。この方の清らかな行いはひろく広まるでしょう。」(スッタニパータ) 「ボクの細…

木魚歳時記 第2557話

(ナーラカ)序 シャカ族の人々が憂いているのを見てアシカ仙人はいった「わたくしは、王子に不吉の相があるのを思いつづけているのではありません。またかれに障(さわ)りはないでしょう。この方は凡庸(ぼんよう)ではありません。よく注意してあげてくだ…

木魚歳時記 第2556話

(ナーラカ)序 ときにアシタ仙人は自分の行く末を憶(おも)うて、ふさぎこみ、涙を流した。仙人が泣くの見て、シャカ族の人々は言った。「われわれの王子に障(さわ)りがあるのでしょうか?」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(324) 鷲谷七…

木魚歳時記 第2555話

(ナーラカ)序 相好(そうごう)と呪文(ヴェーダ)に通暁(つうぎょう)しているかれ(アシタ仙人)は、シャカ族の牡牛(のような立派な児)を抱きとって(特相を)検(しら)べたが、心に歓喜して声を挙げた。「これは無上の方です、人間のうちで最上の人…

木魚歳時記 第2554話

(ナーラカ)序 アシタ仙人は、こころ喜び、嬉しくなって、その児を抱きかかえた。その児は、頭の上に白い傘をかざされて白色がかった毛布の中にいて、黄金の飾りのようであった。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(322) 石田波郷さん。「暁に…

木魚歳時記 第2553話

(ナーラカ)序 「神々は、多くの骨あり千の円輪ある傘蓋(さんがい)を空中にかざした。また黄金の柄(え)のついた払子(ほっす)で身体を上下に扇(あお)いだ。しかし払子や傘蓋を手にとっている者どもは見えなかった。」(スッタニパータ) 「ボクの細…

木魚歳時記 第2552話

(ナーラカ)序 火炎のように光り輝き、空行く星王(月)のように清らかで、雲を離れて照る秋の太陽のように輝く児(シッダルタ王子)を見て、(集う者たちは)歓喜を生じ、昂(たか)まる喜びでわくわくした。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳…

木魚歳時記 第2551話

(ナーラカ)序 そこで諸々のシャカ族の人々は、その児(シッダルタ王子)を、アシタ仙人に見せた。熔炉で巧みな金工が鍛えた黄金のようにきらめき幸福に光り輝く尊い顔の児を。(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(319) 星野高士さん。「大川の…

木魚歳時記 第2550話

(ナーラカ)序 アシタ仙人は(神々の)その声を聞いて急いで(人間世界)下りてきた。そのときスッドーダナ王の宮殿に近づいて、そこに坐して、シャカ族の人々に次のようにいった。「王子はどこにいますか。わたくしもまた会いたい。」(スッタニパータ) …

木魚歳時記 第2549話

(ナーラカ)序 神々は答えて言った「生きとし生ける者の最上者、最高の人、雄牛のような人、生きとし生けるもののうちの最高の人(ブッダ)は、やがて、仙人のあつまる所という名の林で(法)輪を回転するであろう。猛き獅子(しし)が百獣にうち勝って吼(…

木魚歳時記 第2548話

(ナーラカ)序 神々は答えて言った「無比のみごとな宝であるかのボディーサッタ(菩薩・未来の仏)は、もろびとの利益安楽のために生まれたもうた。シャカ族の村に、ルンビニーの聚楽(じゅらく)に。だからわれわれは嬉しくなって、非常に喜んでいるのです…

木魚歳時記 第2547話

(ナーラカ)序 アジタ仙人はブッダに問う「かれらは叫び、歌い、楽器を奏で、手を打ち、踊っています。須弥山(しゅみせん)の頂に住まわれるあなたがたに、わたくしはおたずねします。尊き方々よ、わたくしの疑いを速やかに除いてください。」(スッタニパ…

木魚歳時記 第2546話

(ナーラカ)序 アジタ仙人はブッダに問う「たとえ阿修羅(あしゅら)との戦いがあって、神々が勝ち阿修羅が負けたときにも、そのように身の毛が振い立つほど喜ぶことはありませんでした。どんな稀(まれ)ごとを見て神々は喜んでいるのですか?」(スッタニ…

木魚歳時記 第2545話

(ナーラカ)序 「こころ喜び踊りあがっている神々を見て、ここにアシダ仙人は恭しく(ブッダ)にこのことを問うた。『神々の群れが極めて満悦しているのは何故ですか? どうしたわけでかれらは衣をまとってそれを振り回しているのですか?』と。」(スッタ…

木魚歳時記 第2544話

(ナーラカ)序 「よろこび楽しんでいて清らかな衣をまとう三十人の神々の群れと帝釈天(たいしゃくてん)とが、恭(うやうや)しく衣をまとって極めて讃嘆(さんたん)しているのをアジタ仙人は日中の休息のときに見た。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]…

木魚歳時記 第2543話

(ブログ筆者より) 以上で(コーカーリヤ)の項を終わります。読者もお気づきのように、後世「比喩経」(ひゆきょう)と称される教典群の中で示され、我が国の説話文学等にも大きな影響を与えることになる「地獄」の話が、すでに、原始経典の『スッタニパー…

木魚歳時記 第2542話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「ここに説かれた地獄の苦しみがどれほど永く続こうとも、その間は地獄に留まらねばならない。それ故に、人は清く、温良で、立派な美徳をめざして、常にことばとこころをつつしむべきである。」(ス…

木魚歳時記 第2541話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「紅蓮(ぐれん)地獄に運び去られた者(の寿命の年数)は、荷車につんだ胡麻(ごま)の数ほどある。と諸々の智者は計算した。すなわちそれは五千兆(ちょう)年とさらに一千万の千二百倍の年である…

木魚歳時記 第2540話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「罪を犯した人が身に受けるこの地獄の生存は実に悲惨である。だから人は、この世において余生のあるうちになすべきことをなして、忽(ゆるがせ)にしてはならない。」(スッタニパータ) 「ボクの…

木魚歳時記 第2539話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「そこには黒犬や斑(ぶち)犬や黒烏(からす)の群れや野狐がいて、泣きさけぶかれらを貪(むさ)ぼり食うて厭(あ)くことがない。また鷹や黒色ならぬ鳥どもまでが啄(ついば)む。」(スッタニパ…

木魚歳時記 第2538話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「また鋭い剣の葉のついた林があり(地獄に堕ちた者どもは)、超えがたいヴェ-タラニー河に至る。その河の流れは鋭利な剃刀(かみそり)の刃である。愚かな輩(やから)は、悪いことをしては、そこ…

木魚歳時記 第2537話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「また蛆虫(うじむし)の棲む水釜があり、罪を犯した人はその中で煮られる。出ようにも、つかむべき縁(ふち)がない。その釜の上部には内側に湾曲していて、まわりが全部一様だからである。」(ス…

木魚歳時記 第2536話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「また膿(うみ)や血の混じった湯釜があり、罪を犯したその人はその中で煮られる。かれがその釜の中でどちらの方向に向かって横たわろうとも(膿と血とに)触れて汚される。」(スッタニパータ) …

木魚歳時記 第2535話

(コーカーリヤ) 師(ブッダ)は諸々の修行者に告げられた「また次に(地獄に堕ちた者どもは)火炎が燃えさかっている鋼鉄の釜の中に入る。火の燃え盛るそれらの釜の中で永いあいだ煮られて浮き沈みする。」(スッタニパータ) 「ボクの細道]好きな俳句(3…