切戸の文殊
切戸の文殊(もんじゅ)は俗称です。寺の名称は正式には臨済宗妙心寺派の智恩寺(ちおんじ)となります。この寺の文殊堂に祀られた文殊菩薩が有名で、別名<知恵の文殊>とも呼ばれ、日本三大文殊の一つに数えられています。大同三年(808)、平城天皇の勅願により創建されたと伝えられます。その後変遷を経て、寛政元年(1785)には末寺二十一ヶ寺、塔頭(たっちゅう)三宇(う)を擁する寺勢を誇ったとも伝えられています。お伽草子(おとぎぞうし)「梵天国」、謡曲「久世戸」「丹後物狂」にも登場するなど、江戸期において、この寺は、武士、庶民上下の区別なく信仰を集めていたと伝えられます。知恵発達、学業成就のご利益あり。(宮津市・文殊)