2014-01-02から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1100話

四角形 四角には、正四角形、長方形、菱形(ひしがた)などがあります。密教でいう五大(空・風・火・水・地)では「地」に相当します。五輪の石組みとしては方形がこれにあたり、、全宇宙を支える大地の役割を果たしていると考えられます。 寺院の須弥壇(…

木魚歳時記 第1099話

三角形 多角形の中で、もっとも辺数が少ない形です。三角形には、直角三角形、二等辺三角形、正三角形などがあります。 五輪塔の石組みに見られる三角形は、密教でいう五大(空・風・火・水・地)の火に相当する強いものとされています。 この外、寺院等で見…

木魚歳時記 第1098話

五大 五大(ごだい)とは、宇宙を構成する五大元素、すなわち、空・風・火・水・地のことです。これを形にあてはめると、団形・半月形・三角形・円形・方形となります。また、これをそれぞれ色にあてはめると、黄・白・赤・黒・青となります。 面白いことに…

木魚歳時記 第1097話

仏教と「かたち」 かって、故人を供養するために五輪塔(墓)を建てる習慣がありました(現在ではこれを省略して長方形の墓石を用いた三段の墓が主流となっています)。ところで、五輪塔をよく見ると、団形、半月形、三角形、円形、方形の組み合わせとなって…

木魚歳時記 第1096話

瑪瑙 七宝(しちほう)の最後は瑪瑙(めのう)です。メノウは玉髄(ぎょくずい)の仲間で、 小さな石英の結晶が集まってできています。 白、灰、黒、赤、緑などが組み合わさった 独特の縞模様が特徴です。メノウの名称は石の外観(縞目)が「馬の脳」に似て…

木魚歳時記 第1095話

珊瑚 七宝(しちほう)の六番目は珊瑚(さんご)です。赤真珠と呼ばれることもあります。サンゴは、刺胞動物門花虫綱に属する動物(サンゴ虫)のうち固い骨格を発達させる種類をいいます。サンゴ虫は深海に生息し、樹枝状の群体を作ります。骨格は石灰質で緻…

木魚歳時記 第1094話

??(しゃこ)は、蝦蛄(しゃこ)とも書きます。シャコ貝のことです。シャコ科に属する甲殻類(こうかくるい)で、寿司ネタとしておなじみのものです。別名をガサエビ、シャッパなどと呼ぶこともあります。エビとは異なり偏平で頭部にカマキリのような鎌状の…

木魚歳時記 第1093話

玻璃 七宝(しちほう)の四番目は玻璃(はり)です。玻璃とは水晶のことです。石英(せきえい)は二酸化ケイ素の結晶です。六角柱状のきれいな結晶で、中でも無色透明のものを水晶(クリスタル)と呼びます。 古代より、水晶は玻璃(はり)と呼ばれ珍重され…

木魚歳時記 第1092話

瑠璃 極楽を荘厳(しょうごん)する七宝(しちほう)の三番目は瑠璃(るり)であります。俗にいう猫目石です。宝石としての瑠璃(るり)はシルクロードの終着点として日本に伝わり、当時、天皇など上流階級のごく一部が宝飾品として使用したようです。後にな…

木魚歳時記 第1091話

銀 七宝(しちほう)の二番目は銀(しろがね)です。黄金のまばゆいばかりの輝きを太陽の光とするならば、銀(しろがね)の澄み切った輝きは月光に喩えることができます。太陽の輝きを大日如来(だいにちにょらい)の救いとするならば、誰をも漏らすことなく…

木魚歳時記 第1090話

金 金色(こんじき)に輝く黄金は、極楽浄土を荘厳(しょうごん)する七宝(しちほう)の一つに数えられます。洋の東西を問わず、過去、世界の皇帝たちは黄金の冠を戴くことにしのぎをけずってきました。 土に眠る金属の中で、人間が黄金に魅かれてきたのは…

木魚歳時記 第1089話

紫 紫は、昔、紫草(むらさき)という植物の根(紫根)から取れる染料のことでした。やがて、これにより染色された色を紫と呼ぶようになります。古来この色は気品が高く神秘的な色と見られました。また紫草(むらさき)は栽培が困難なので珍重されたようです…

木魚歳時記 第1088話

藍 伝統的な青色として、藍(あい)と縹(はなだ)があります。古来から青色の染料を得るために、原料として「つゆくさ」が用いられました。そして「つゆくさ」で染めた色ですから花色(はないろ)と呼ばれました。これは「花色木綿」などの言葉として残って…

木魚歳時記 第1087話

紅 紅(べに)は、紅花(べにばな)より抽出されます。二千年の昔、エジプトより中国を経て日本にもたらされました。 紅花の液に布をさらすと、水に溶けやすい黄色の色素は流れ出し、水に溶けにくい紅色の色素(カルタミン)が残留して鮮やかな紅色となりま…

木魚歳時記 第1086話

緋 緋(ひ)はあざやかな赤い色・深紅(しんく)を指します。緋や紅の有機質の染料は、古代の食品の着色や衣服の染色に用いられました。衣服としては、僧侶の着ける緋衣(ひえ)がおなじみです。また、緋色に染めた革・綾・糸組の緒(お)をつづり合わせた緋…

木魚歳時記 第1085話

丹 煉丹術(れんたんじゅつ)は、辰砂(しんしゃ)を練りあげて不老不死の金丹(きんたん)を作ることです。ところで、酸化水銀を多く含んだ、辰砂や赭土(しゃど)を加熱・精製した赤色の物質を「丹」(たん)と称します。 赭土(しゃど)には、三酸化二鉄…

木魚歳時記 第1084話

朱 われわれの祖先は、古墳時代から朱(しゅ)を使ってきたようです。九州に多い彩色古墳にある石室や石棺には、朱砂を粉末にしてそのまま塗りつけたものもあるそうです。 朱(しゅ)は、硫化水銀を含む辰砂(しんさ)とか朱砂(しゅさ)から抽出されます。と…

木魚歳時記 第1083話

赤 八坂神社の丹塗(にぬり)があざやかに塗りかわりました。このシリ-ズでは、神や仏(ほとけ))の色について考えてみましょう。 邪馬台国(やまたいこく)のことを記した『魏志倭人伝』(ぎしわじんでん)に「山には丹(たん)あり、身体に朱丹(しゅた…

木魚歳時記 第1082話

つづいてこそ道 (石川 洋) 「な、な、な、何がゆえに、君たちはど、ど、動物を食わないと言いながらひ、ひ、羊、羊のシャッポをかぶるのか。」(宮沢賢治) 定年退職(65歳)を機に俳句をつくりを始めました。写真・法話・俳句を三点セットにしたホーム…

木魚歳時記 第1081話

朝はいただきもの (石川 洋) 「多く説くからとて、そのゆえにかれが賢者なのではない。こころおだやかで、怨(うら)むことなく、恐れることのない人、かれこそ賢者と呼ばれる。」(釈迦) 息子が寺に戻って寺を継いでくれることになりました。美系の大学…

木魚歳時記 第1080話

なんのこっちやい丸裸 (石川 洋) 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもでもない。やはり向う三軒両隣にちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて越す国はあるまい。(夏目漱石) うどんの「つゆ」は関東は濃口醤油を…

木魚歳時記 第1079話

歩いたあとに一輪の花を咲かせたい (石川 洋) その物に付きて、その物をつひやし損(そこな)ふ物、数を知らずあり。身に虱(しらみ)あり、家に鼠(ねずみ)あり、国に賊(ぞく)あり、小人(せうじん)に財あり、君子に仁義あり、僧に法あり。(兼好法師…

木魚歳時記 第1078話

地を養えば花は自らひらく (石川 洋) 「魚(いお)は水にあかず。魚にあらざれば、其(そ)の心知らず。鳥は林を願う。とりにあらざれば、其(その)心を知らず。閑居(かんきょ)の気味(きび)も又同じ。住まずして誰(たれ)かさとらむ。」(鴨長明) …

木魚歳時記 第1077話

いつまでも自分でやれるのではない (石川 洋) 「昨日またかくてありけり 今日またかくてありなむ この命なにを齷齪(あくせく) 明日をのみ思ひわづらふ」(島崎藤村) 長崎名物「ちゃんぽん」を考案したのは陳平順という中国人だそうです。彼は、明治32…

木魚歳時記 第1076話

人生逃げたらあかん (石川 洋) 子供のうちは、どんな人でも、地動説でなく、天動説のような考え方をしている。(吉野源三郎) うどんは弘法大師が唐(とう)・中国から持ち帰えり伝えられたともいわれますが確かな根拠はないようです。しかし、素麺(そう…

木魚歳時記 第1075話

クヨクヨは欲の廻り道 グズグズは自分の出しおしみ (石川 洋) 「あああ、人間はなぜ死ぬのでしょう ! 生きたいわ ! 千年も万年も生きたいわ ! 死ぬなら二人で ! ねエ、二人で ! (徳富蘆花) 名古屋駅のホームで立ち食いした「きしめん」の味は忘れられま…

木魚歳時記 第1074話

みつめる みなおす みとめる (石川 洋) 「真理はそのままでもっとも美しく、簡潔に表現されていればいるほど、その与える感銘はいよいよ深い。」(ショウペンハウエル) ラーメンを支那(しな)ソバと呼んだ時代のルーツについては定かではありません(ゆ…

木魚歳時記 第1073話

能力不足ではない 経験不足なのである (石川 洋) 「汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる」(中原中也) ご多分にもれず京都の街にも讃岐(さぬき)うどんがあふれています。その名の由来のように…

木魚歳時記 第1072話

過去の栄光を捨てれば新しい歩みが始まる (石川 洋) 「人は決して倖(しあわ)せを避けて通る者ではない。花を見ないで道を通ることはできない。」(室生犀星) ぼくは「人類は麺類」。こんな看板を見ると無性に嬉しくなってしまうタイプです。夏目漱石は…

木魚歳時記 第1071話

無限 努力 (石川 洋) 「恋人に逢いにゆく嬉しさは、勉強をやめるときの子供の嬉しさと同じだが、別れるときの悲しさは、仕方なく学校へとぼとぼと行く子供の悲しさと同じだ。」(シェイクスピア) 写真の蝶は浅黄斑(あさぎまだら)です。九月ごろ菊科の、…