木魚歳時記 第1093話

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玻璃

 七宝(しちほう)の四番目は玻璃(はり)です。玻璃とは水晶のことです。石英(せきえい)は二酸化ケイ素の結晶です。六角柱状のきれいな結晶で、中でも無色透明のものを水晶(クリスタル)と呼びます。
 古代より、水晶は玻璃(はり)と呼ばれ珍重されました。マヤ文明およびその地域の原住部族においては、透明水晶を「ザストゥン」と呼び、まじない石として大切に扱ったようです。オーストラリア先住民の神話の中では、最も一般的な神の思し召しの物質「マバン」として崇(あが)められました。古代ローマにおいて水晶は「永久に凍ったままの氷」と信じられたとの記述もあります。わが国で水晶玉を占いに用いるのもこれと関係するのでしょう。

     冬一番雀かけこむ車石