木魚歳時記 第1086話

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 緋(ひ)はあざやかな赤い色・深紅(しんく)を指します。緋や紅の有機質の染料は、古代の食品の着色や衣服の染色に用いられました。衣服としては、僧侶の着ける緋衣(ひえ)がおなじみです。また、緋色に染めた革・綾・糸組の緒(お)をつづり合わせた緋威(ひおどし)は、鎧(よろい)など武具の飾りとして用いられたようです。緋色の英訳語にスカーレットがありますが、これにも同様の傾向があるようです。おそらく緋色が戦意の高揚に結びついたからでしょう。

     独り来て御籤引きたる木の葉髪