木魚歳時記 第1089話

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 紫は、昔、紫草(むらさき)という植物の根(紫根)から取れる染料のことでした。やがて、これにより染色された色を紫と呼ぶようになります。古来この色は気品が高く神秘的な色と見られました。また紫草(むらさき)は栽培が困難なので珍重されたようです。
 古来より、天子の衣の色は深紫が一位、浅紫は二位、深緋は三位、浅緋は四位でした。下級の公家を称して「五位の赤蜻蛉(とんぼ)」と嘲笑したように緋は下級の色であったようです。次に、深緑、浅緑、深縹(はなだ)の順となります。また僧衣は、上位より緋・紫・萌黄・茶・黒のとなります。ただし宗派において順序が異なることもあります。

     婆さまの手塩にかけし酸茎漬