2013-12-27から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第768話

お湯は沸(わ)いたかタライはまだか、始め、チョロチョロ、中、ぱっぱ赤子泣いたら蓋(ふた)?をとれ。そこで、ふんぎゃ~と出てきたか?とんでもはっぷん最初の接吻(せっぷん)。そうはいきません。 「地を養えば 花は自らひらく」(石川 洋) ぷくぷく…

木魚歳時記 第767話

無量精舎(むりょうしょうじゃ)の鐘の音(ね)に、諸行無常(しょぎょうむじょう)のひびきあり。百日紅(さるすべり)の花の艶(いろ)、和尚(おしょう)転落の吉兆(おめでた)をあらはす。 「歩いたあとに 一輪の花を咲かせたい」(石川 洋) 「椀椀椀…

木魚歳時記 第766話

七十年。破戒(はかい)とはいえないが、小人的悪事(あくじ)というか、小賢しいことを日常茶飯事のように犯してきました。今日、無事に過ごせるのは、仏のご加護と、多くの方々の寛大さのお陰です。ありがたいことです。 「患盲は破戒より来る」(大乗の十…

木魚歳時記 第765話

七十年。貧窮(ひんきゅう)とはいえないが、質素な暮らしでした。慳貪(けんどん)とはいえないが、水谷幸生先生のお引き立をいただき、家族みんなを育てることができました。感謝しています。 「貧窮は慳貪より来る」(大乗の十来)9 リスの夫婦が巣づく…

木魚歳時記 第764話

七十年。殺生とはいえないが、多くの<いのち>を奪ってきました。長生きとはいえないが、今、こうして生き長らえています。ありがたいことです。 「短命は殺生より来る」(大乗の十来)8 妻を愛している夫がいた。その妻は容姿端麗(ようしたんれい)の美…

木魚歳時記 第763話

七十年。不浄(ふじょう)とはいえないが、小人的<わがまま>に固執(こしゅう)してきました。家族や周囲を困らせてきました。もうしわけないことでした。 「病身は不浄より来る」(大乗の十来)7 仲のよい夫婦がいた。ところが、夫がいつも地下の水瓶(…

木魚歳時記 第762話

七十年。精進(しょうじん)とはいえないが、まじめな暮らしができました。知恵とはいえないが、個性的な生き方ができました。愉快なことでした。 「知恵は精進より来る」(大乗の十来)6 男が修行に努めていた。そこに鬼が現れ「諸行無常(しょぎょうむじ…

木魚歳時記 第761話

七十年。三拝九拝。感謝感謝ですごさせていただきました。高位(こうい)とは、とんでもないが・・恵まれた役回りを演じさせていただきました。ありがたいことでした。 「高位は礼拝より来る」(大乗の十来)5 猿の王がいた。ある晩のこと、月が井戸の中に…

木魚歳時記 第760話

七十年。忍辱(にんにく)とはいえないが<がまん>には馴れてきました。それと、多くの先達(せんだつ)のお蔭で大過なく過ごせました。感謝しています。 「敬愛は忍唇より来る」(大乗の十来)4 一人の王子がいた。彼はやさしくて、どんな頼みでも聞いて…

木魚歳時記 第759話

七十年。無信心とはいえないが、放漫のゆえに三回の大病を患いました。そのつど、仏のご加護と多くの方のお蔭で快癒しました。ありがたいことです。 「無病は信心より来る」(大乗の十来)3 老婆がいた。あるとき村に比丘(びく)がやってくるので、灯明の…

木魚歳時記 第758話

七十年。善根(ぜんこん)とはいえないが、人を困らせることなく、まじめに暮らしてきました。善行(ぜんぎょう)とはいえないが、できるかぎりの努力はしてきました。お蔭で幸せに暮らせました。 「福徳は善根より来る」(大乗の十来)2 猿の王が、山中を…

木魚歳時記 第757話

七十年。清貧(せいひん)とはいえないが、質素な暮らしでした。富貴(ふうき)とはいえないが、寺を守り、子どもたちを育てました。みなさまのお蔭です。 「富貴は慈悲より来る」(大乗の十来)1 鷹に追われた鳩が比丘(びく)の懐(ふところ)に入った。…

木魚歳時記 第756話

わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面をはやくは走れない。わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのように、たくさんなうたは知らないよ。すずと、小鳥と、それから…

木魚歳時記 第755話

こっつん こっつん 打たれる土は よい畠になって よい麦生むよ。朝から晩まで 踏まれる土は よい路になって 車を通すよ。打たれぬ土は 踏まれぬ土は 要らない土か。いえいえそれは 名のない草の お宿をするよ。(金子みすゞ) おかしなヘビがいた。というの…

木魚歳時記 第754話

かあさん知らぬ 草の子を、なん千万の 草の子を、土はひとりで 育てます。草があおあお しげったら、土はかくれて しまうのに。(金子みすゞ) 沼に棲んでいたカメは、いちど海がみたいと考えました。そこで、沼にきた二羽の白鳥に相談をしました。親切な白…

木魚歳時記 第753話

小ちゃな雀が 死んだのに、芥子は真赤に咲いている。知らないのです 知らせずに、こっそりそばを通りましょう。もしもお花が きいたなら、すぐにしぼんでしまうから。(金子みすゞ) ワニが、猿の王をみてその心臓が喰いたくなりました。そこで「むこう岸に…

木魚歳時記 第752話

私がさびしいときに、よその人は知らないの。私がさびしいときに、お友達は笑うの。私がさびしいときに、お母さんはやさしいの。わたしがさびしいときに、佛さまはさびしいの。(金子みすゞ) 沼のほとりにウが棲んでいました。ボサツの化身であるウが、沼に…

木魚歳時記 第751話

下から子供が 「ざくろさん 熟れたら私に くださいな。」上からからすが 「あほかいな おさきに私が いただこよ。」あかいざくろは だんまりで、下へ、下へと、たれさがる。(金子みすゞ) いざこざがあり軍を出すか出すまいか、王は、ボサツに相談をしまし…

木魚歳時記 第750話

子供が 小雀つかまえた。その子の かあさん 笑ってた。雀の かあさん それみてた。お屋根で 鳴かずに それ見てた。(金子みすゞ) 二台の馬車が、狭い道で鉢合わせをしました。そこで、それぞれの馬車に乗った主(あるじ)の徳くらべをして、優れた方が道を…

木魚歳時記 第749話

きのうは子どもを ころばせて きょうはお馬を つまずかす。あしたはだれが とおるやら。いなかのみちの 石ころは 赤い夕日に けろりかん。(金子みすゞ) 「巣穴のところでドスンと音がしました。なにがなんだかわかりません」。あわて兎は水牛のところに、…

木魚歳時記 第748話

上の雪 さむかろな つめたい月がさしていて。下の雪 重かろな 何百人ものせていて。中の雪 さみしかろな 空も地面もみえないで。(金子みすゞ) 猿と、山犬と、カワウソと、兎が暮らしておりました。或る日、四匹のところにボサツさまがこられることになり、…

木魚歳時記 第747話

泥のなかから 蓮が咲く それをするのは 蓮ぢゃない。卵のなかから 鶏がでる それをするのは 鶏ぢゃない。それに私は 気がついた。(金子みすゞ) ボサツのところに猿がきて「水が呑めずに困っております」という。ワニが池に棲みついたので怖くて水が呑めな…

木魚歳時記 第746話

薬上菩薩の玉幡は住行向地の階位あり 薬上菩薩(やくじょうぼさつ)は、薬王菩薩(やくおうぼさつ)の弟にあたります。ともに良薬の徳をもって衆生を救って下さいます。手には玉飾りのある「幡」(ばん)、つまり旗竿をお持ちになります。 「行住坐臥」」(…

木魚歳時記 第745話

衆寶王菩薩のうつ鐃は一仏乗をさんだんす 衆寶王菩薩(しゅうほうおうぼさつ)は、七宝(しっぽう)をはじめ一切の珍しい宝物を自由に集めることができる菩薩です。その徳で衆生をお救いになります。手には「鐃」(にょう)、すなわち<ドラ>)をお持ちにな…

木魚歳時記 第744話

金剛蔵のことのいと十界一如と響くなり 金剛蔵菩薩(こんごうぞうぼさつ)は、ダイヤモンドのように堅固な智慧(ちえ)で無尽蔵(むじんぞう)に救いを与えて下さいます。手には八雲(やくも)の琴を持たれます。 仏教では「十界一如」(じっかいいちにょ)…

木魚歳時記 第743話

薬王菩薩の幢幡は不老不死と翻がへる 薬王菩薩(やくおうぼさつ)は、<お薬師さん>として親しまれる菩薩です。諸々の良薬の功徳により病に苦しむ衆生を救って下さいます。幢幡(どうばん)、つまり旗飾りをかかげておられます。 薬王菩薩(やくおうぼさつ…

木魚歳時記 第742話

大自在王の華幢は畢竟空とさしそびゆ 大自在王菩薩(だいじざいおうぼさつ)は、何事もなしうる神通力をそなえ、その威力(いりき)でわたしたち衆生を救って下さる菩薩です、手には鼓(つづみ)を持たれます。 仏教が説く「空」(くう)とは、「私だけが・…

木魚歳時記 第741話

白象王菩薩の宝幢は第一義天に翻がへす 白象王菩薩(びゃくぞうおうぼさつ)は、象のような力強さで、大きな慈悲の恵みで、生きとし生けるものを救って下さる菩薩です。楽器の七力(しちりき)を手にされます。 仏教の説く「第一義天」(だいいちぎてん)と…

木魚歳時記 第740話

山海慧のくうごの緒寂静真如の理を示す 山海慧菩薩(さんかいねぼさつ)は、海よりも深い智慧、山よりも高い智慧でわたしたち衆生を導かれる菩薩です。手には立琴をお持ちになります。 仏教では「真如」(しんにょ)を説きます。語源は<あるがまま>という…

木魚歳時記 第739話

月光王菩薩のふりつゞみ十方世界に響かせり 月光王菩薩(がっこうおうぼさつ)は、月の光のように清らかで汚れのない徳を持ち、そのみ光りでわたしたち衆生を救い摂って下さる菩薩です。手には豆太鼓をお持ちになります。 月光王菩薩(がっこうおうぼさつ)…