木魚歳時記 第766話

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 七十年。破戒(はかい)とはいえないが、小人的悪事(あくじ)というか、小賢しいことを日常茶飯事のように犯してきました。今日、無事に過ごせるのは、仏のご加護と、多くの方々の寛大さのお陰です。ありがたいことです。

    「患盲は破戒より来る」(大乗の十来)10

 昔、一人の長者がいた。その長者が病にかかり、寿命がつきるのを悟ったとき、二人の息子を枕もとに呼んで云った「自分の死後は財産をすべて二等分にするように」と。そういい残して長者は死んでしまった。ところで二人の息子たちは、父親の死後、財産の分配でいさかいを起した。そこで、父親のいい残したことばを思い出し、建物も、金貨も、家具も、衣類も・・なにもかも、二つに切り裂いて二等分した。したがって長者の残した財産の大部分は、ふたたび使えなくなってしまった。

     紅ひものしどろしどろと椿落つ