木魚歳時記 第760話

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 七十年。忍辱(にんにく)とはいえないが<がまん>には馴れてきました。それと、多くの先達(せんだつ)のお蔭で大過なく過ごせました。感謝しています。

     「敬愛は忍唇より来る」(大乗の十来)4

 一人の王子がいた。彼はやさしくて、どんな頼みでも聞いてやった。あるとき、鬼がやってきて王子に云った「あなたは、どんな頼みでも聞いてくれるそうだ。それなら、あなたの息子の一人を俺にくれないか」。怖くなって泣き叫ぶ息子たちに、王子は「人は、生まれたからには、いつかは別れねばならない。そのことがわかれば・・」と、息子たちをなだめた。そして息子の一人を鬼にさしだそうとした。そのとき、鬼は帝釈天(たいしゃくてん)の姿にもどり、王子に云った「あなたこそ仏となりたまう」と。

      稚一つ二つ三つ四つ梅ふふむ