2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

木魚歳時記 第1808話

虎薬師(とらやくし) 「虎薬師」は、浄土宗西山深草派・西光寺の俗称です。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)ですが、寺伝によれば、弘安五年(1282)、空海作の虎薬師と呼ぶ薬師如来を下賜(かし)され、薬師堂を建立して祀ったと伝えられています。…

木魚歳時記 第1807話

こぬか薬師 「こぬか薬師」は、黄檗宗(おうばくしゅう)・薬師院威徳堂の俗称です。本尊の薬師如来は美濃(岐阜県)から移したと伝えられています。その後、幾多の変遷を経て、元禄十五年(1702)に美濃の国大梅寺の鉄面和尚が隠居寺として中興(ちゅう…

木魚歳時記 第1806話

水薬師(みずやくし) 「水薬師」は、真言系単立寺院・水薬師寺の俗称です。お寺に伝わる記録によると、延喜二年(902)、突然、付近の大池の中から薬師如来が出現され、醍醐天皇がこれを奇瑞と感じられ、この薬師如来さまを本尊として寺を開かせたと伝え…

木魚歳時記 第1805話

蛸薬師(たこやくし) 神社仏閣を問わず、現世利益(げんぜりやく)のあらたかな、「京のご利益さん」について、思いつくまま気の向くままに触れてみたいと思います。治病や施薬を本願とする「薬師如来」(やくしにょらい)を祀るお薬師さま「蛸薬師」(たこ…

木魚歳時記 第1804話

腹帯地蔵(はらがけじぞうそん) 「腹帯地蔵」と名の付く安産祈願の寺院(地蔵尊)は恐らく数え切れないくらい沢山あるかと思います。とりわけ、北区紫竹竹上野町の光念寺、伏見区醍醐南里町の善願寺、西京区大原野小塩町の十輪寺、中京区東側町にあった清帯…

木魚歳時記 第1803話

目疾地蔵(めやみじぞう) 「目疾地蔵」は、浄土宗・仲源寺(ちゅうげんじ)の俗称です。治安二年(1022)に定朝(じょうちょう)が四条橋東北に地蔵尊を祀り本尊としたのが始まりと伝えられます。安貞二年(1228)の洪水に止雨の祈願を行い、以来、…

木魚歳時記 第1802話

釘抜地蔵(くぎぬきじぞう) 「釘抜地蔵」とは、浄土宗石像寺(しゃくぞうじ)の俗称です。この寺の地蔵堂に安置されている石造りの地蔵菩薩は、前世からの罪業(ざいごう)により、手の痛みに苦しんでいる商人を救ったという伝説がひろまり、諸々の「抜苦」…

木魚歳時記 第1801話

矢田地蔵(やたじぞう) 「矢田地蔵」とは、西山浄土宗矢田寺の俗称です。本尊の地蔵菩薩は、開山の満慶が地獄で出会った地蔵の姿を彫らせたものと伝えれます。この地蔵菩薩は代受苦地獄(だいじゅくじごく)とも呼ばれ、地獄で人々を救うことが出来る地蔵と…

木魚歳時記 第1800話

四の宮地蔵(廻地蔵) 六地蔵めぐり(6)は、東海道の出入り口にある「四の宮地蔵」(しのみやじぞう)です。この地蔵さまは「廻地蔵」(めぐりじぞう)、「山科地蔵」とも呼ばれるようです。臨済宗南禅寺派の徳林寺に安置されています。徳林寺は、聖観世音…

木魚歳時記 第1799話

深泥池地蔵(みどろがいけじぞう) 六地蔵めぐり(5)は、若狭街道にある「深泥池地蔵」(みどろがいけじぞう)です。前に触れたように、この地蔵さまは「姉子地蔵」とも呼ばれ、浄土宗上善寺に安置されています。この寺は、京都を東西に走る鞍馬口通りに面…

木魚歳時記 第1798話

常盤谷地蔵(ときわじぞう) 六地蔵めぐり(4)は、周山街道にある「常盤地蔵」(ときわじぞう)です。臨済宗天竜寺派の源光寺(源光庵)に安置されています。この寺は、源義経の母、常盤御前(ときはごぜん)の営んだ庵・浄土宗常盤院があった処と伝えられ…

木魚歳時記 第1797話

桂地蔵(かつらじぞう) 六地蔵めぐり(3)は、丹波(山陰)街道の出入り口にある「桂地蔵」です。浄土宗地蔵寺に安置されています。この地蔵も、上記、大善寺(伏見六寺蔵)の処で触れたように、小野篁(おののたかむら)が桜の大木から地蔵尊像を刻んだ内…

木魚歳時記 第1796話

鳥羽地蔵(とばじぞう) 六地蔵めぐり(2)は、西国街道の要衝にある「鳥羽地蔵」です。浄土宗西山派の恵光山浄善寺に安置されています。境内には袈裟御前塔という五輪石塔や林羅山撰の恋塚碑があり、寺伝には袈裟御前の物語が伝わるようです。因みに、近く…

木魚歳時記 第1795話

伏見六地蔵(ふしみろくじぞう) 地蔵は「地の徳」を備え、さまざまな利益(りやく)をもたらす菩薩さまです。平安時代の初め、小野篁(おののたかむら)が桜の大木から六体の地蔵尊像を刻み、木幡の里(大善寺)に祀ったのが始まりです。次に、保元2年(1…

木魚歳時記 第1794話

聖光寺(しょうこうじ) 聖光寺。現存する寺町通最南端の寺院です。聖光寺そのものはさして広大な寺域を誇り、かつ、有名な寺歴を有するわけではありませんが、付近につらなる浄教寺、透玄寺、照善寺、勝園寺も含めて、寺町通につらなる諸寺院のしんがりとし…

木魚歳時記 第1793話

倒蓮華寺(さかされんげじ) 倒蓮華寺。安養寺(あんにょうじ)という正式の寺号があるにもかかわらず倒蓮華寺として親しまれています。その由来は本尊の阿弥陀如来(あみだにょらい)さまの蓮台(れんだい)の蓮の形が<さかさま>であることによります。寺…

木魚歳時記 第1792話

誓願寺(せいがんじ) 誓願寺。天智天皇の勅願寺として奈良で創設されました。中世には京都元誓願寺小川の地に移転され、天正年間(1573~92)に現在地に移されたと伝えられます。この寺の本尊である阿弥陀如来(あみだみょらい)坐像は実に立派なお姿…

木魚歳時記 第1791話

天性寺(てんしょうじ) 天性寺。曼荼羅山当麻院(まんだらさんたいまいん)と号します。その由来は、天正5年(1577)に眼誉道三(がんよどうさん)が奈良「当麻寺(たいまでら)」の当麻曼荼羅(たいままんだら))を写して開祖となったことによります…

木魚歳時記 第1790話

本能寺(ほんのうじ) 本能寺。歴史的にあまりにも有名な寺院ですからこのホームページで取り上げる意味はほとんどありません。応永22年(1415)年に、宗祖(法華宗)の日隆が、油子路高辻に本応寺として創建され。その後、本能寺と改称され、移転・消失…

木魚歳時記 第1789話

革堂(こうどう) 革堂。行願寺(ぎょうがんじ)が正式名ですが革堂で通っています。由来によれば、昔、男が山中で鹿を射止めたが、その腹より小鹿が出たのを見て仏心を起こし、その皮を衣にして念仏修行に勤めたといいます。やがて、男は、神木で千手観音像…

木魚歳時記 第1788話

廬山寺(ろざんじ) 廬山寺は、天慶年間(938~48)、慈恵大師・良源が北山に創建した、元、円浄宗の本山です。寛文3年(1245)に船岡山の南に移り寺名を廬山天台講寺と改めました。さらに天正年間(1573~92)に現在地に移りました。廬山寺…

木魚歳時記 第1787話

清浄華院(しょうじょうけいん) 清浄華院は浄土宗の大本山です。貞観二年(860)、清和天皇の詔(みことのり)により、天台・真言・仏心・戒律兼学の禁裏内(きんりない)道場として創建されました。拠って、菊の御紋の使用が許されています。二回の移転…

木魚歳時記 第1786話

阿弥陀寺(あみだじ) 上善寺(じょうぜんじ)より寺町通りを南へ行くと阿弥陀寺があります。阿弥陀時は織田信長・信忠の影像を安置する織田家ゆかりの寺院です。天文年間(1532~55)に近江坂本で創建され、その後、信長の支援で洛中の上立売大宮東に…

木魚歳時記 第1785話

上善寺(じょうぜんじ) 第1話で、秀吉の都市改造計画の一つに、洛中の寺を集めて「寺町」を形成したことについて触れました。このシリーズでは、現在「寺町」に現存する10ヶ寺を、北から南に無作為に選んでご紹介します。まず上善寺です。この寺の「深泥…

木魚歳時記 第1784話

けったいな男 「へんな小僧の好奇心」。七十年前に<逆噴射>のシーンを脳裏に焼き付けたけったいな子は、やがて、けったいな「おっさん」(和尚)へと進化し、けったいなホームページを、ズルズルと2000回も更新してきました。(バックナンバーはオール…

木魚歳時記 第1783話

「出町柳駅」 鞍馬・八瀬(やせ)方面と市内を結ぶ叡山電鉄の終始発駅が「出町柳駅」です。筆者が子供の頃(終戦直後)は、まだ、小原女(おはらめ)らしき姿のおばちゃんが、農家で取れた産物を背負って、この電車で、市内に商いにやって来るのを見かけまし…

木魚歳時記 第1782話

チンチン電車 明治初年の東京遷都を機に、オール京都の願いとして建都千百年の記念事業として、巨大プロジエクトがいくつも企画・実施されました。疎水事業、水力発電、路面電車、平安神宮造営・時代祭創設、勧業博覧会などなどです。まさに目を見張るような…

木魚歳時記 第1781話

京極小学校 寺町通の寺町今出川を南に下がると、京都市立「京極小学校」があります。明治二年に、寺町今出川上るの立本寺前町に協立小学校として開設され、明治五年に現在地に移転し「梨樹学校」と改称されました(近くに梨木神社があります)。明治十六年に…

木魚歳時記 第1780話

京極(きょうごく) 平安京の「東京極大路」に由来する地名です。平安京の時代を描いた「洛中洛外図」によると、鴨川に沿って造られた東京極通りは、まさに、洛中の東の果てのラインを示します。すなわち、当時、東京極通・鴨川を越えてそれより東の一帯は「…

木魚歳時記 第1779話

寺町通 寺町通りは、川原町通りのわずか数十メートル西側を、南北に走る道路です。北は、東西に走る鞍馬口通りに始まり、南は、五条通りの手前で川原町通りと合流して終わります。寺町通りの一条通から南は、平安京の「東京極大路」とほぼ一致します。寺町通…