木魚歳時記 第1808話

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 虎薬師(とらやくし)

 「虎薬師」は、浄土宗西山深草派・西光寺の俗称です。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)ですが、寺伝によれば、弘安五年(1282)、空海作の虎薬師と呼ぶ薬師如来を下賜(かし)され、薬師堂を建立して祀ったと伝えられています。因みに、開基は誓願寺十二世の伝慶とされています。その後、焼失・再建を経て、元治元年(1864)再度焼失し、翌、二年に再興されたと伝えられます。これは、ぼくの推察の域を出ませんが、河原町の三条から四条にかけて薬師を祀る寺が多いのは、鴨川の氾濫(はんらん)に伴う疫病の流行と無関係とは考えられません。(虎薬師・中京区・新京極蛸薬師上る)

    黒雲のきて満月を犯しけり