木魚歳時記第4633話

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 山門では建久元年、かって大原問答の主催者であった顕真を隠棲から召し出して座主に起用したが、翌二年七月には栄西が帰朝して禅宗を弘めなどし、慈円(兼実の弟)の座主就任のうわさも、思いがけない顕真の起用で立ち消えになる。兼実はこれらを山門といわず寺門といわず南都北嶺の仏道の衰え感ずることが深かった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1272

        僧の子の僧と成りたり竜の玉

 「ボクの細道]好きな俳句(2370) 田中裕明さん。「冬菜畑同じ本読む姉妹」(裕明) 裕明さんは、やはり、早世された俳人です。ボクの好きな作家のひとりです。さて、西暦「1212」は法然上人がご遷化(せんげ)された年月です。今、ボクたち夫婦はその叡山の麓で暮らしています。有難いことです。

智者のふるまひを
せずして
ただ一向に念仏すべし
(法然「一枚起請文」)