木魚歳時記第4818話 

 摂政良経は時に三十八歳であったが、詩歌に長じ、また書画の両道にも達して、高雅に風流な人品は、さすがに摂関家の人にふさわしく、当年政界の第一人者として上皇のおん覚えは特にめでたく、良経の死は上下一般の驚きと悲しみとが異常であったなかでも上皇はその父兼実についで良経の死を御悲嘆あらせた。
 死の数日後の十三日には、邸内の曲水宴に上皇をお待ち受け申し上げていたところであったという。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1450

          蓮池の底を覗いてみたくなり

 「蓮池」(はすいけ)は夏季となります。短編小説『蜘蛛の糸』を思い浮かべました。(小説で)蓮池の底を覗かれるのはアミダ仏さまでした。(ブログで)蓮池の底を覗くのはぼく自身です。蜘蛛の糸にぶら下がる「カンダタ」と、ぼく自身がオーバーラップして迫る気がしたからです(汗)。嗚呼