木魚歳時記第4904話 

 察するに、上皇は先年一時の逆鱗から若年の二僧を斬らせたのみか、累(るい)を老師に及ぼしたのを、年を経てさすがに御後悔あらせてこのおん夢に十一月七日、中納言光親を奉行として、源空の入京の御聴許の宣旨となった。
(佐藤春夫 付録章『一枚起請文』)

            蛇塚は奈落につづく虫の闇  

 「虫の闇」は秋季となります。嵐山(らんでん)、つまり、京福電気鉄道の帷辻(かたびらのつじ)の近くにあります。古代の豪族たちをお祀りした遺跡だと思います。覗き込むと、奈落(ならく)の底では、真昼から、虫の楽隊がにぎやかでした!