木魚歳時記第4095話

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 声を媒介とする往生の法を説くのを、かねて歌菩薩をご本尊とする上皇はご同感あったが、それは彼岸(ひがん)のこと、わが歌謡こそ現世成仏と思し召した。
 おん父上皇のかげには、松の傍らの梅花のように清らかにやせた二十ばかりの内裏王がつつましやかにひかえて、父のよくうわさするこの法師の頼もしげな面魂や一言片句、一挙一動をつぶらにかがやく涼しいおん眸を見入っている。
(佐藤春夫『極楽から来た』)763

       どことなく父子は似るもの竜の玉

 「ボクの細道]好きな俳句(1842) 大峯あきらさん。「南瓜咲く室戸の雨は湯のごとし」(あきら) 「南瓜」(かぼちゃ)の花はでかい。南国「室戸岬」(むろろみさき)にぴったり似合います! そのことを「室戸の雨は湯のごとし」と持ってきたのが凄い。ここで凡人との境いが生まれます。ボクの俳句は「つぶやき」です(汗)。

  さいちや、あなたに、すくわれて、
  あなた、さいちを、すくいなさるか。
  ごをんうれしや、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)