木魚歳時記 第3925話 

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 この二度目の大宮御所は頼政の宅地居邸をお譲り受けあってお住まいになられたというのである。
 頼政は旧邸の付近に新居を設け住んで、大宮御所の隣人となった。
 ところが大宮御所という尊貴に美しい寡婦(かもめ)の家は、誇張すれば一種の伏魔殿であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)606

 

      月光やぼろっと出たる乞食僧   乞食(こつじき)

 「ボクの細道]好きな俳句(1674) 橋 閒石さん。「雪山に頬ずりもして老いんかな」(閒石) まあ、なんと壮大な「老い」なのでしょうか! こんなスケールの大きい、男らしい作品を詠みながら「俳句人生」が終えられれば幸せに思います。

 蜥蜴(とかげ)1 私がもたれている石垣の割れ目からひとりでに生まれて来た子供のように、彼は私の肩に這い上がるって来る。私が石垣のつづきだと思っていれしい。なるほど私はじっとしている。それと、石と同じ色の外套(がいとう)を着ているからである。それにしても、ちょっと私は得意である。(ルナール『博物誌』より)