2013-12-17から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第162話

つるし干す 作務衣の列に 秋日和 オスがメスより図体が大きいのは、メスの争奪合戦に有利だからです。オスの図柄が目立つのは、メスに気に入られ、求愛を受入れてもらうためです。 しかし、鳥のタマシギ(玉鴫)は、メスがオスより大きくて色柄も派手です。…

木魚歳時記 第161話

生まれ死ぬ その真ん中も 籠の虫 鳥・魚・昆虫のオスは、色や、声や、体の一部をデスプレイ(誇示)することで、メスの気を引きます。これにより、メスは優れたオスを選択し、種の保存を図ってきました。また、ライオンや、おっとせいや、猿など大型動物は、…

木魚歳時記 第160話

蛇塚は 奈落につづく 虫の声 女郎蜘蛛が、餌の掛かるのを待っています。脚をひろげて、のんべんだらりと昼寝をしているようすは、どう見てもメス蜘蛛のようです。ところで蜘蛛の類は、メスの方が図体が大きくて、餌を捕るのも上手で、こまめに働きます。それ…

木魚歳時記 第159話

のろ遊ぶ けもの谷にも 竹の春 ぼくは、人間嫌いの気(け)があります。体験不足による「逃避症候群」かも知れません。そこで自身への懺悔(さんげ)も込め、中国の長寿法「行功十要」と、ぼくの変人ぶりをくらべてみましょう。 1.面(かお)は常に擦るを…

木魚歳時記 第158話

いうほどに なに事もなし 秋茄子 俳句の季語について。最小限で最大の効果を生むため、季語は有効な働きをします。たとえば、山笑う(春の山)、山滴る(夏の山)、山粧う(秋の山)、山眠る(冬の山)。これらの季語から雄大なイマジネーションが迫ります。…

木魚歳時記 第157話

ぬけぬけと 仏顔する 唐辛子 「パルー ツンギテー ナトゥ キタルラチー チロタベノ カラマポチータリー アマノ カングヤマ」。これ韓国語、中国語?そうではありません。あの持統天皇の「春過ぎて夏来たるらし白たへの…」お歌を、当時の宮廷ことば(発音)で…

木魚歳時記 第156話

老僧の うしろに目あり 乱れ萩 「小股が切れ上がる」とは?こんな女、いえ、言葉を知ったのは、ぼくが小学生の頃でした。それからずっと、小股とは?切れ上がるとは?が頭から離れません。 小股というから、きっとお<股>のあたり?切れ上がるとは、どういう…

木魚歳時記 第155話

老僧の 裾に無明の こぼれ萩 姦(かしましい)、嬲(なぶる)という字は、おそらく男が考えだしたのでしょう。ところで「始」の字は女へんで、それから<つくり>は台ですから、この世はすべて女性がいなければ始まらない…ということになります。事実、男性…

木魚歳時記 第154話

十六夜や 男度胸の きめどころ 蓮根は蓮(はす)の根です。そして蓮根といえばその「穴」を連想します。「蓮根の糸で綱渡り」なんてしゃれた都都逸?をあるようです。ところで、蓮(はす)は、汚れた泥の中から、つまり、蓮根からどうして、あのような清楚な…

木魚歳時記 第153話

なりゆきは 月にまかせて 独り酒 ぼくはパンが好きです。あんこまパンも好きですが、メロンパンのほうがもっと好きです。さらにドーナツなら、食べるのが惜しいくらい好きです。ドーナツがなぜ好きかって?それは、あの太さといい、まがりぐあいといい、小金…

木魚歳時記 第152話

陰影の ひだに融込む 法師蝉 お股が凝る…の意味ではありません。性懲りもなくアホウを繰り返して、くたびれているぼくのことです。 さて、あるワン公(オス)は、飼い主の姐さんに、ホームページを作ってもらっています。(うらやましい)「某月某日、曇。お…

木魚歳時記 第151話

老萩の 翳に無明の こむらさき イギリスの風刺漫画雑誌「パンチ」(Punch)に掲載され、評判となった寓意・風刺・滑稽の効いたマンガを称してポンチ絵といいます。大正・昭和の初期には、日本でもポンチ絵が流行したようです。さて、俳句にも諧謔(かいぎゃ…

木魚歳時記 第150話

満月に 姿見せない 虫楽隊 <おもこ>。この文字に触れたとき、落ち着きを失いました。飛行機が離陸するとき、(大黒さんの)目の前でケイタイが鳴ったとき…それとは異質です。強いていえば、晩秋にうろちょろする「蛇の穴まどひ」に似た気分でした。 <おも…

木魚歳時記 第149話

月の夜の ハリーポッター 夢もどき ぼく「無量子庵木魚」は、この外に雲谷斎真之介(うんこくさいしんのすけ)のネームも持っています。このネームにしたのは、有名なお二人の名前に<あやかり>たかったからです。それは外人ののクサイ氏と、日本人の和田勉…

木魚歳時記 第148話

残暑かな 立居で御座す 樗仏 僕の師僧(親父)は、どちらかというと厳格なほうでした。その親父にお経を習ったことを思いだします。 『経典』に描いてある極楽世界は、金や、銀や、瑠璃(るり)や、瑪瑙(めのう)や、めずらしい宝物(珍宝)でいっぱいです…

木魚歳時記 第147話

本堂の 牟尼と背くらべ 立葵 柿のヘタは、ぼってり<熟し>の尻に敷かれっぱなし。黄色くなってへばりついています。ところが、ある夜<熟し>のところにみたこともない大鴉がやってきて、すっかりほじってしまいました。天辺のところに<ヘタ>だけとなって…

木魚歳時記 第146話

化野に 鬼灯一つ 墓参道 <あんこまパン>とは、パンにバターを薄く塗って、その上にアンコを乗せ、さらにマヨネーズをまぶしたけったいなパンのことです。ただしマヨネーズはキューピー印にかぎります。 あんこまパンのこと考えていると、急に『どんぐりと…

木魚歳時記 第145話

浜おもと 島の娘の 太っ腹 東北地方の土産物?に「金魚ねぶた」があります。黒い目をした可愛いい金魚がつながっていました。お盆のご回向(えこう)のとき小さな池があり、こんな張り紙がしてありました。この張り紙をみてくすりと笑いました。 「この池の…