木魚歳時記 第153話

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なりゆきは 月にまかせて 独り酒

 ぼくはパンが好きです。あんこまパンも好きですが、メロンパンのほうがもっと好きです。さらにドーナツなら、食べるのが惜しいくらい好きです。ドーナツがなぜ好きかって?それは、あの太さといい、まがりぐあいといい、小金色したかがやきといい、穴といい…おもこ(面影の子)とおなじくらい妄想を掻きたてるからです。

 さて、永 六輔さんの本(『二度目の大往生』)に面白いことが書いてありました。ドーナツの真ん中には穴が「ある」。でも穴をよくみると、穴は「ない」。穴は「ある」けれども「ない」。「ない」けれども「ある」。
 ところで、アナル(穴る)とは、むろん正しい日本語ではありません。「穴」(名詞)に、「る」(助動詞?)がくっつくはずがありません。ですけれど、くっつくはずのない布製品に、くっついてはならない<もの>がくっつくから困ります。そしてまた、ぼくは大黒さんに叱られてしまいます。