木魚歳時記第4893話 

 上人は弟子どもを叱って、わしらを無事に逃がしてくれた。おかげで思い出しても身震いの出る怖ろしい一夜であった」
「さもあろう、おれは話に聞いただけでも怖ろしい」と定明も力なく答えた。
 法然の流罪は申しわけの僅か半年ばかりで、それも塩飽の兼実の荘園で客寓されているうちにすんだ。みな兼実の肝いりであった。当の兼実は法然が帰洛の日を待たないで薨(こう)じた。(佐藤春夫『極楽から来た』) 

『極楽から来た』完 

       秋の夜のどこかで鈴が鳴っている

 最近の建築物は防音効果が優れています! じつに静かです! 若い世代の家族も多くお住みですから、ロビーに始まり、エレベーター出入口、シャッター類の設置場所など騒音は覚悟していました! ですから、その静かさは驚きでした!