木魚歳時記第4894話 

 付録章 一枚起請文

(一)「拙作は前章、第三十三章百七十回でめでたく完結したつもりである。錯雑不備は承知であるが、そのうちに自らな余韻を託し、あとは読者の自由な読み方に委ねて、あれで擱筆(かくひつ)したいのが、作者の本意である。」しかし、編輯上の都合でもあろうか、少なくとも「もう二、三回(紙上掲載)書きつづける気はないかといわれる」
(佐藤春夫 付録章『一枚起請文』)

      ただ灼けて水をごくごく飲んでいる

 付録章『一枚起請文』について。作者は『一枚起請文』を『極楽から来た』の自叙と記されています。すなわち「本篇は前年の春以来構想のものを、昭和35年6月22日、以降、173回(完)に至るまで、東京朝日新聞夕刊紙上に発表されたものであります」。因って、ブログ筆者も、付録章『一枚起請文』を、約1ヶ月にわたり、このブログに分割掲載させて頂く予定です。