木魚歳時記第4835話

 慈円大僧正の仏教は当然に国家本意に戒律を重んじる旧時代の貴族仏教なのに対して、法然上人のものは個人解放の自由な新しい庶民仏教である。
 理屈っぽい頭の彼は、縦からも横からもあらゆる角度から、大僧正の教えと上人のものを比較して考えてみた。到底両立するがはずがないおころか、悪くすると正面衝突をして一騒動持ち上らなくてはすまないものであろう。
(佐藤春夫『極楽から来た』)

                      新緑の遠近法をはみ出せり        

 「新緑」は夏季となります。さて、俳句について「季語はなるべく具体的に」と教わりました。また「季語を信頼しなさい」とも教わりました。つまり「季語に語らせる」と云うことでしょうか! その通りだと思います! しかし、依然「キャッチコピー」+「季語」=「定形」の域より脱皮できません(汗)嗚呼