木魚歳時記第4799話  

 しかし山門から挙がった火の手は慈円の手心もあってさして猛烈なものではなかった。しかし慈円には別に裏工作があった。彼はその親友澄憲の子の笠置にいる貞慶が南都に属していたのを、父とともに操って、南都をして北嶺以上に猛烈な念仏宗攻撃の火の手を挙げさせたものであった覚のような法然の高足の親や兄弟が、法然攻撃の急先鋒となった秘密の真相は実に慈円の小工作の結果なのであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1433

             大空は君たちのものつばくらめ

 寓居して8年近くになります。どうしたことか、バルコニーに燕(つばめ)の姿をたびたび見かけます。営巣、それとも何か目的が? でも、高野川は猛禽の通路でもあります・・「大空は君たちのもの」とはいえ、しばらくは、バルコニーで見かける出来事に目が離せません(汗)。