木魚歳時記第4762話

 法然は式子内新王の亡ぜられた翌月、はじめて極楽の衆鳥、霊笛(れいてき)などの妙音を聞いた。
 それまでは念仏六万べんのひまひまに極楽の宮殿、宝樹の列などの様が眼を閉じれば現れ、後には眼を開いても消えないようになっていたが、極楽の妙音を耳にしたのは式子内親王の死後であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1397

      6 月天心月に焦れし求道僧

 「月」が天に輝くのを見るとき、遥か中国に渡ることになった「沙門空海」の一行は、それぞれの抱く使命の大きさを、あらためてかみしめたのかも知れません! さて、このシリーズのテーマより「月」を除くことはできません。四季をつうじてさまざまな形で、さまざまな場面で登場する「月」について詠んでみましょう!