木魚歳時記第4736話

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 (五)待つ宵に更け行く鐘の音を聞けば飽かぬ別れの鶏はものかは
 という小侍従の歌と、玉の緒よ絶えなば絶えね永らえば忍ぶることの弱りもぞするまあ、 ちう式子内親王の一首との対照は穢土の恋と浄土の恋との相実を雄弁に遺憾なく語り尽くしている。(佐藤春夫『極楽から来た』)1373

           中腹に煙ひとすぢ秋の山 

 俳句を始めたころ、先輩から教わりました。「難しいことを詠わなくともいいのよ。見たまま、感じたままを句にされたらいいの」。ふむ。ならば「煙ひとすぢ」は「煙霧](えんむ)の当季を用いれば、それで良いわけですが・・それだと、ぼくの見たイメージとどこか違う? 「煙ひとすぢ」しか考えられない! そうです、ぼくは「こだわり」のしんちゃんなのです。