木魚歳時記第4695話

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 頼朝は一身の幸運を天に感謝する以上に、父の死に対する憤りの方が大きかったのも無理はない。彼は世を恨み、人を憎み、天に憤った。そうしてたまたま生き残った一身を、誓って復讐の鬼とした。
 頼朝は決して地獄から来たのではなかった。しかし、父の死を知って以来は地獄に生きて地獄から来たようになってしまった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1332

       綿虫にまといつかれて野面積  野面(のずら)

 「ボクの細道]好きな俳句(2432) 矢島渚男さん。「子規うさぎ虚子いぬ年や年巡る」(渚男) 俳人の干支(えと)を句材とは珍しい。 脳の中身の柔軟さには驚かされます。ヘドロが詰まったS氏なら、いつき先生から「才能ナシ」と切り捨てられるでしょう(汗)。

     わたしや、こどもで、
  をやのこと、しらの(ぬ)。
  ぶつになること、しらせてもらい、
  ごをんうれしや、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)