木魚歳時記第4696話

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 彼は父をだまし討ちにした長田父子を捕えて、彼らが父を殺す下心で三、四日饗応した返礼に、よく働け、働いたら恩賞を与えようぞといって義経、範頼の手につけて、木曽征伐から一ノ谷、屋島の戦いまで、汗みずくに働かして置いた揚句の果てに、褒美として、美濃尾張を賜わろうという悪いしゃれまで添えて彼らを召し捕えさせ、大地に大板を敷かせ、長田父子の両手両足を竿に付けて大の字に釘づけの土磔(つちはりつけ)という極刑で、面皮を剥(は)いで四、五日晒(さら)し、なぶり殺しにしたが、頼朝がまだまだ飽き足らなかったのは、よくよく気の毒である。(佐藤春夫『極楽から来た』)1333   

              草庵に来て八年やお茶の花

 「ボクの細道]好きな俳句(2433) 矢島渚男さん。「沢蟹が廊下に居りぬ梅雨深し」(渚男) 廊下(一階)で小さな沢蟹が歩いているのを見つけました。下を流れるの高野川から上がって来た? 自然に恵まれたところで暮らせる喜びと、お茶の花のように素朴な相棒と暮らせる幸せに感謝をしています。

  わたしや、しやわせ。
  なむあみだぶにしてもらい。
  それにな(名)のつく、なむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)