木魚歳時記第4694話

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 しかし彼が生死の間を彷徨(ほうこう)する間に、彼を最も愛した父義朝は殺された。それも失意のどん底にあって、やっと辿りついた家重代の家人の一族の家に入って表面は非常に歓待のうちに、敵に売り渡す目的でだまし討ちにされて死んだのである。もし父が敵の手にかかり、もしくは奮戦したものなら頼朝もこうは悲しまなかったのであろうが、これは何という死であろうか。思えば思うほどに怖ろし憤ろしく口惜しい。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1331

         ざざ虫や今宵わが身も果てんとか

 「ボクの細道]好きな俳句(2431) 矢島渚男さん。「流星やいのちはいのち生みつづけ」(渚男) スケールの大きな作品です。さて「ざざ虫」は、信濃川上流域などに居るケラの仲間で、甘露煮となるそうです。さて、ボクを「ザザ虫」と仮定するなら、ボクが、お浄土に召される時は「家族葬」(葬儀社)を望んでいます。でも、ボクは「ケラ」ですから(ボク自身で)結果を左右できません(汗)。甘露煮にも出来ません(笑)。 

  なむわ、わたしで、
  あみだは、をやで、
  これがをやこのなむあみだぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)