木魚歳時記第4454話

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 聖武天皇勅願の総国分寺、鎮護国家の大道場、金光四天王護国寺も、藤原累代の氏寺たる興福寺も一切の財宝とともに、今は暁闇(ぎょうあん)の星かげの下に、ただ一やまの余燼(よじん)となって、朝風の通うところどころが赤く燃え残っている。
 重衡、通盛をはじめ官兵将卒一同は余燼(よじん)のやまをとり巻いて、ただ呆然自失し、畏怖に身をわななかせつつ声をのんでいた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1103 

       満開の高野河畔や春おぼろ

 「ボクの細道]好きな俳句(2195) 京極杞陽さん。「電線のからみし足や震災忌」(杞陽) 関東大震災(大正12年)のことでしょう。震災の体験を懐古して「震災忌」の季語を用いられたとしたら、そのタイムスリップの独特の事例が試されます。

 「これより西方十万億の仏土を過ぎて世界あり、
名づけて極楽という。その土(世界)に仏まします。阿弥陀仏(あみだぶつ)と号したてまつり、今現に在し説法し給へり。」(『アミダ経』)