木魚歳時記第4452話

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 歩行も不自由な老僧や準縄(じゅんじょう)な修学僧、それにちごたち、女子供などは、ここならば助かりもしようからと、大仏殿や山階寺(やましなでら)の内へ先を争って逃げ込んで行く。
 大仏殿の二階にはざっと千人あまりも登った。敵の追い来るのを登らせまいと、梯子は取りはずして置いてあった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1101

      隣からピアノの音や鳥帰る

 「ボクの細道]好きな俳句(2193) 京極杞陽さん。「シクラメン  たばこを消して立つ女」(杞陽) 一転、現代俳句としてまったく違和感がありません。虚子門下で活躍された作者にこの作品とは、ただ驚きのみです。

たった一度しかない人生を、
ほんとうに生かさなかったら、
人間に生まれてきた
かいがないじゃないか
(山本 有三)