木魚歳時記第4458話

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  おん母建春門院の薨御(こうぎょ)このかた、おん母方平氏とおん父法皇との間に板ばさみになって、おん心安き日もなく、やがて法皇、鳥羽院の幽居には最もみ心をお悩まさせあったが、つずいて以仁王の薨去(こうきょ)、思いがけない福原への渡御、またあわただしい還御、そうして今度の南都の騒ぎなど、続々と起こる不祥事が、もともとご多病に、おん心やさしくましました上皇のおん寿命をちぢめ奉ったのであろう。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1107

      洛北のちんとろ茶屋は春爛漫

「ボクの細道]好きな俳句(2198) 京極杞陽さん。「手でひねり点け手でひねり消す秋灯」(杞陽)あたりまえの動作をあたりまえに描いて成功する、その典型です。ふと「鳥の巣に鳥が入って行くところ」((波多野爽波)さんの作品を思い出します。

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった。(茨木のり子)