木魚歳時記 第3952話

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 思うに、小侍従はこの美的サロンにあって主人以上にふるまっていたものであろう。同じ寡婦の下に寡婦が仕えるのだから虎を野に放った自由でである。
 それに同じく寡婦とはいえ、多子はさすがにそう軽々しくは振る舞わないが、小侍従の方は至って身がるに散って誘う水に身をまかすうばざくらであった。彼女は源平藤橘などの区別などはなく、みな打ち伏せた女豪傑であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)627

       暮の秋風が西から吹いて来て

 「ボクの細道]好きな俳句(1701) 松尾芭蕉さん。「何に此師走の市にゆくからす」(芭蕉) 比喩。心象俳句と呼ぶのでしょうか?
      芳しい草花とて
      風上に香ることはない
      仏道に近づき 真理のことばに接するなら
      その人は あまねく香る(ブッダ)

 蟇(がま)2  彼はそこにいる。 このよく乾いた、清潔な、堅苦しい自分だけの住居(すみか)に隠れ、彼は家(うち)いっぱいに場所を取り、けちん坊の巾着(きんちゃく)みたいに膨れている。