木魚歳時記 第3908話

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 何にせよこれらの話は頼政伝説として頼政という人物を伝える以上に、その時代のふんいきをよく伝えるものとしてここに記しておくのである。
 ぬえの正体はもとより、それが朝廷に対する院の重圧だか、それとも一般貴族に対する武家の威圧か、はた何ごとの象徴だか知るよしもないが、そんなえたいの知れない不安におおわれていた時代であったと思う。頼政もまた、この時期の一種の象徴的人物のように思える。
(佐藤春夫『極楽から来た』)591

         ととととと風の中より赤とんぼ

 「ボクの細道]好きな俳句(1657) 森 澄雄さん。「新緑や濯ぐばかりに肘若し」(澄雄) 作者はいつも妻にやさしい。妻の肘(ひじ)が、濯(すす)ぎ上げた洗い物のように美しい。さて、粘土の塊(かたまり)を手のひらでにぎると、にゅるにゅるといろんな形が指の間から生まれます! まるで、ボクの「煩悩」(ぼんのう)が生まれ出るようです。生み出される形は違いますが、つぎつぎと生まれるボクの煩悩です。

 兎(うさぎ)2 新しい草をついやらずにいると、彼らは古いやつを根元までかじり、それから根さえも噛みちぎる。