ほととぎす名をも雲居にあぐるかな
と歌いかけると、頼政は口とくも、
弓張月の射るにまかせて
と下の句をつけ、また一しおの御感に頼政が、かねて目をつけていた御所の女房のあやめと、それにうり二つの別の女房とを同じように装わせて本ものを選ばせ賜ろうとするのに対して「いずれあやめと引きぞ煩った」この時でなく、別の折であったらしい。
(佐藤春夫『極楽から来た』)
秋の空雲がちぎれて飛んで行く
「ボクの細道]好きな俳句(1656) 森 澄雄さん。「送り火の法も消えたり妙も消ゆ」(澄雄) あきらかに、京都五山の「送り火」を詠んだ作品でありましょう。ところでで、ボクたち夫婦も「妙・法」の麓に移り住んで、はや、五年に近くなります。 「妻と居て妻と拝みし妙法岳」合掌。
兎(うさぎ)1 半分に切った酒樽(さかだる)の中で、ルノワァルとルグリは、毛布で温かく足をくるんだまま、牝牛(めうし)のように食う。彼らはたった一度食事をするだけだが、その食事が一日中続くのである。(ルナール『博物誌』より)