木魚歳時記 第1000話

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才一や今息が切れたら
どうするか はい はい
あなたの中で切れます
ええなあ 世界 虚空が
皆ほとけ わしもそのなかなむあみだぶつ (浅原才一)

 才一とは、妙好人(みょうこうにん)と呼ばれた、念仏信者浅原才一さんのことです。息が切れたらとは、息が尽きたらということです。つまり死ぬときはということです。それが、あばら屋でも、路上でも、橋の下でも「息が尽きるところが仏(ほとけ)の世界」。その中で「仏(ほとけ)に抱かれて往生できる」というのです。いつでも、だれでも、どこでも「仏(ほとけ)に抱かれて往生できる」。これが仏(ほとけ)の「慈悲}(じひ)なのです。上記の才市さんのことばを読んでいて、ふと、ぼくは放浪の俳人といわれた、種田山頭火のことを思い出していました。

     はんざきの大魚喰らひて泡一つ