木魚歳時記 第1001話

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花はなぜ美しいのか
ひとすじの気持ちで
咲いているからだ (八木重吉


 「真理を求める者は塵(ちり)にさえ踏みつけられるほど謙虚(けんきょ)であらねばならない」。これはインド建国の父といわれるマハトマガンジーのことばです。法然上人(ほうねんしょうにん)は43歳のとき比叡山天台宗)を去り、「我はこれ烏帽子(えぼし)も着ざる男なり」ともうされ、地位・名誉・権力など一切を捨て、ひとりの乞食僧(こつじきそう)として念仏による庶民の仏教をお弘めになりました。すなわて浄土宗の開祖となられたのです。よって浄土宗では「還愚痴」(げんぐち)、つまり「愚者(ぐしゃ)の自覚」をもって宗派のモットーといたします。

     夏めくや蕎麦すすりたる破擦音