(五)法然上人をして、この人は前世で仏に逢った事があろうといわせた仏性の熊谷直実は、法然上人に会った直後、鎌倉に帰って、頼朝に会い、念仏の徳と浄土とを説いたが、頼朝は耳を傾けなかった。
頼朝は既に清水で法然の説法を聞いていたが、疑いと憎しみの人には信と愛のとの言葉を聞く耳は無く、かえって身をそしられるかのように聞きひがめていたところへ、近江の佐々木の事件が持ち上がって、これも法然の説法の罪と思っていたかも知れない。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1335
どこの子か公園に来て日向ぼこ
「ボクの細道]好きな俳句(2435) 矢島渚男さん。「雲の峰過去深まつてゆくばかり」(渚男) 過去を詮索(せんさく)しだすと、それは、雲霞(うんか)のように涌いて来ます。それを分析したところで仕方がない。誰かさんのいつもやるように、ガハハハハと笑い飛ばすことですんでしまいます。「椿落つ天の椿の一つ減り」(丸山海道)
なむあみだぶつ、なむあみだぶつ、
わしをほとけにするごをん、
なむあみだぶつ、ごをんうれしや。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)